1998年9月ソウル旅行記
その9、珈琲美学

昨年のゴールデンウィークに、一緒にサイパン旅行をしたI氏に会いました。 彼の会社はソウル一の高級ファション街である、ロデオ路に面しています。 隣のビルはアジアで一番大きなPRADAの店です。 日本人アガシ観光客が多数訪れて、ビルの前でよく記念写真を撮っているそうです。 ところがIMF時代を反映してか、このような高級ブランド店が閉店したり、クリアランスセールの貼り紙をしているのが目立ちました。

ロデオ路から道を一本裏に入ると、洒落たインテリアのレストランや喫茶店が多いです。 右の写真はそのような高級喫茶店の一つです。 「珈琲美学」と言う名前が漢字で書いてあり、何となく建物の作りも日本的だなぁーと思いましたら、 やはり日本人から指導を受けて、今年の4月に開店したそうです。 内部の写真を撮影しようとしたのですが、「禁止」とのことで制止されてしまいました。 理由は不明です。 何か撮影されてまずいことがあるのでしょうか。 代わりに右に示すパンフレットをくれました。
珈琲美学のパンフレット

この店は高級店だけあって、韓国ではあたりまえのインスタントコーヒーではなく、ちゃんとコーヒー豆を挽いて煎れています。 私は「モカ」を注文しましたが、確かにこんなに美味しいコーヒーは日本でもめったに飲めないものでした。 ただし値段も一杯7000ウオンと高級でした。

上記パンフレットには、「世界のコーヒー豆の主要生産地は南米などであるが、培煎技術により、一番美味しいコーヒーを飲めるのは日本とドイツである。 当店は日本人のxxさんから技術を受け継いだ美味しいコーヒーを飲むことができます」と言う意味のことが書かれています。

今年4月の開店ですが、余りにもタイミングが悪かったようで、IMF時代を反映してか、 7000ウオンのコーヒーでは客足も少ないようでした。 コーヒーショップにしては立派過ぎる建物の消却負担も大きいのではと、他人ごとながら心配になりました。 また、長年インスタントコーヒーに親しんできた韓国の消費者に豆から煎れたコーヒーの味がどこまで理解されるか、難しいところがあるのではないでしょうか。

写真左:IMF時代を反映して、コーヒー 一杯1000ウオンの店もある(鐘路にて)

写真下:「珈琲美学」の入り口。 高級レストラン風


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