6080/6AS7単管PPステレオアンプ

測定データ


以下、2KΩの特別OPTを使った場合の特性を示します。測定は、主としてWaveSpectraを使用しました。

*F特 (Click to Graph)

OPT単体よりも低域、高域とも狭くなっております

*歪率 (Click to Graph)

WaveSpectraは「THD」と「THD+N]の両方の測定ができますが、表は「THD」をプロットしたものです

最大出力

9W強でクリップが認められましたので、歪率は9Wまで測定しました

ダンピングファクター

総合ゲイン

8Ω負荷を付けたとき、アンプ入力からスピーカー端子までで14.8倍でした

電源トランス温度上昇

電流容量不明で心配しましたが、47℃@室温=27℃と測定されました

 

「古典的位相反転回路」を使ったときと使わないときの比較:

位相反転回路のボリュームを絞りきると古典的位相反転回路は動作しなくなり、カソード結合とG2結合だけで位相反転します。以下にその比較を示します。

  絞りきったときに想定される変化 絞りきったときの実測データ
ゲイン 6dB低下する 5.25dB低下した
最大出力電圧 変わらない 変わらない
良くなる 測定誤差程度しか変化しなかった
出力振幅の不平衡 最大1dB程度アンバランスとなる 良くバランスしている
高域カットオフ周波数 高くなる 45KHz → 75KHzに上昇
低域カットオフ周波数 低くなる 26Hz → 16Hzに低下

 

代用OPTと特別OPTの比較:

  特別OPT 代用OPT
負荷インピーダンス(P−P間) 2KΩ 968Ω
出力(クリップし始め) 9.2W 8.1W
低域カットオフ(-3dB) 26Hz 26.5Hz
高域カットオフ(-3dB) 45KHz 14KHz
1KHz@1W歪(THD) 0.89% 0.98%
100Hz@1W歪(THD) 1.23% 1.6%

低域はCR結合の時定数の値が素直に出ています。特別OPT時の高域カットオフは、トランス単体よりも低いです。これは「古典位相反転回路」による影響ではないかと思っています。下の球は上の球で増幅されたものを使うので、高域カットオフが二重に効き、カットオフ周波数が下がるのではないでしょうか。どちらのOPTを使ったときもアンプとしての帯域外F特は、素直な下降特性を示しています。

代用OPTを使うと、1W時の歪みは、1KHz、100Hzとも特別OPTよりも悪く、特に100Hzでは1KHzに比べて悪化の度合いが大きくなっています。

最大出力は8.1Wでクリップが認められ始めますので、特別OPTの2KΩ負荷よりも1Wほど低くなりました。AB級動作になるため、最大出力付近では、クロスオーバー歪みが増え、奇数次高調波が強くなります(写真参照)


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