以下、2KΩの特別OPTを使った場合の特性を示します。測定は、主としてWaveSpectraを使用しました。
OPT単体よりも低域、高域とも狭くなっております |
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WaveSpectraは「THD」と「THD+N]の両方の測定ができますが、表は「THD」をプロットしたものです |
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最大出力 |
9W強でクリップが認められましたので、歪率は9Wまで測定しました |
ダンピングファクター |
2 |
総合ゲイン |
8Ω負荷を付けたとき、アンプ入力からスピーカー端子までで14.8倍でした |
電源トランス温度上昇 |
電流容量不明で心配しましたが、47℃@室温=27℃と測定されました |
「古典的位相反転回路」を使ったときと使わないときの比較:
位相反転回路のボリュームを絞りきると古典的位相反転回路は動作しなくなり、カソード結合とG2結合だけで位相反転します。以下にその比較を示します。
絞りきったときに想定される変化 | 絞りきったときの実測データ | |
ゲイン | 6dB低下する | 5.25dB低下した |
最大出力電圧 | 変わらない | 変わらない |
歪 | 良くなる | 測定誤差程度しか変化しなかった |
出力振幅の不平衡 | 最大1dB程度アンバランスとなる | 良くバランスしている |
高域カットオフ周波数 | 高くなる | 45KHz → 75KHzに上昇 |
低域カットオフ周波数 | 低くなる | 26Hz → 16Hzに低下 |
代用OPTと特別OPTの比較:
特別OPT | 代用OPT | |
負荷インピーダンス(P−P間) | 2KΩ | 968Ω |
出力(クリップし始め) | 9.2W | 8.1W |
低域カットオフ(-3dB) | 26Hz | 26.5Hz |
高域カットオフ(-3dB) | 45KHz | 14KHz |
1KHz@1W歪(THD) | 0.89% | 0.98% |
100Hz@1W歪(THD) | 1.23% | 1.6% |
低域はCR結合の時定数の値が素直に出ています。特別OPT時の高域カットオフは、トランス単体よりも低いです。これは「古典位相反転回路」による影響ではないかと思っています。下の球は上の球で増幅されたものを使うので、高域カットオフが二重に効き、カットオフ周波数が下がるのではないでしょうか。どちらのOPTを使ったときもアンプとしての帯域外F特は、素直な下降特性を示しています。
代用OPTを使うと、1W時の歪みは、1KHz、100Hzとも特別OPTよりも悪く、特に100Hzでは1KHzに比べて悪化の度合いが大きくなっています。
最大出力は8.1Wでクリップが認められ始めますので、特別OPTの2KΩ負荷よりも1Wほど低くなりました。AB級動作になるため、最大出力付近では、クロスオーバー歪みが増え、奇数次高調波が強くなります(写真参照)。
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