鷺路津水産市場で食事をしているとき、隣のテーブルから、チラチラとこちらを見るオジサンがいました。
彼らは3人のグループで、我々が日本語と英語で話しているので気になったのでしょう。 そのうち、英語で話しかけられました。 以下はそのオジサンとの会話です。
私が初めて韓国に行ったのは20年以上前であり、以来、何度も行っておりますがこのような経験は初めてでした。 創氏改名があったことは始めから知ってはいましたが、日本名を聞くのは大変失礼なことと思い、李正馥さんにただ一度聞いたことがあるだけです。 また、こちらが聞かないのに先方から日本名を言われた経験は一度もありませんでした。
「まさちゃん」は戦後、韓国で「反日教育」を受け、日本のことなど、とてもしゃべれない社会的な雰囲気の中で、長い間、一人で懐かしい思い出を胸にしまい込んできたことでしょう。 それから、50余年経過し、日本文化の解放の機運の中で、誰にもはばかりなく「おててつないで」を公衆の面前で歌えるようになったのでしょう。
日本と韓国の間には複雑な歴史がありますが、現在、書物に書き切れていない、当時の人間と人間のふれあいがあったのでしょう。 「まさちゃん」に会えただけでも、今回の旅行の大きな収穫です。