1997年12月7日号
外国人を飲屋に案内する

前日に引続き、外国人を夕食後の飲屋へ案内した報告です。

梨泰院のスタンドバー
香港人と韓国が始めての日本人ですから、言葉の関係で梨泰院のスタンドバーしか無いでしょう。 2〜3年前まではアメリカ人専用でしたが、最近は英語を話す日本人ビジネスマンや観光客もときどき見かけます。 日本人と見ると、金を持っていて、金払いがいいと思われているようで「ボラレ」が出ます。 厳密に言うと「ボラレ」ではないのですが、アガシが飲む「レディース・ドリンク(一杯1万ウォン)」の押売です。 ここ1年くらいの間の変化です。 このひとことだけでも梨泰院がアメリカ人から日本人の街に変ってきていると、 言えるでしょう。 今回は香港人も加わっていたので、ハプニング(古い言葉で済みません)がありました。

まず、店で待機しているアガシ(多分、基本給なしで、レディース・ドリンクの割戻しだけの収入ではないでしょうか) が一人づつ横に座りました。 スタンドバーですから拒否してもいいのですが、チィママの押売りの強引さに負けました。 もっともソウルにきてアガシ無しも寂しいですから、とことん拒否したわけではありませんが... 香港人には英語が話せるアガシ、日本人にはラッキーなことに日本に出稼ぎに行ったことがあり、日本語が話せるアガシをチィママが配置しました。 私はカウンターの中にいるアガシと話そうと思っていると、「お前は韓国語がわかるから、新人の英語も日本語も喋れないアガシを付ける」 と言って強引に横に座らせました。 今年の3月に高校を卒業したばかりのアガシですが、 卒業後、すぐに飲屋のアガシになったそうです。 確かに顔は若くて奇麗で、経験1年未満にもかかわらず、 イッパシの業界人の感じです。 この世界は若さが勝負ですので(特に韓国では)、業界人になり切るのも早いのでしょう。

日本語が話せるアガシは東京の中野で働いたことがあり、3ヵ月のビザで行ったり、来たりしているようです。 年齢は28歳とのことです。 小柄で奇麗な人でしたが、年齢的に「ルームサロン」で働くことが難しいので、 このような店で働き、次の日本行きまでのつなぎにしているのでしょう。 日本人客の扱いに慣れているのか、スタンドバーでは普通はやらないダンスを始めたりします。

香港人に付いたアガシは圧巻でした。 英語が話せ、化粧もアメリカ人好みのどぎつい感じです。 根っからの梨泰院アガシなのでしょう。 年齢は30歳を越えているでしょう。 横で見ていると、そのうちに、抱きついたり、客の膝の上に座って服を脱がせ始めたり、 とてもスタンドバーの雰囲気ではありません。 そのうちに客のオデコにレモンの汁を塗り、 その上から食塩を振りかけ、その香港人のオデコを美味しいと言いながら舐めまわすのです。

さすがに昔からいるアガシはこの光景に驚いていたようですが、見て見ぬふりです。 一方、ゲストの2人はアガシの言うがままで、どんどん、「レディース・ドリンク」の注文です。 翌日に聞いたら、「許可した覚えは無いのに、どんどん出てきた」とのことでした。

2時間近くいたでしょうか。 勘定は3人で20万ウォンでした。 この手の店としては良く使った方ですが、ルームサロンや寡婦村のことを思えば安いものです。 アメリカ人の客は絶対にこのような金は使いませんので日本人はカモです。 なにしろ、我々自身が飲んだ金額は全体の20万ウォンの内、生ビール4杯分の2万ウォンだけで、 残りの18万ウォンは「レディースドリンク」なんですからね。

香港人の感想:「Korean小姐は香港よりもBeautifulだし、Agressiveだ。 香港にはこのような店は無い」

ルームカラオケ
翌日も食事後、まっすぐ帰るはずがありません。 しかし、自分達の金で本当のルームサロンにはとても行けませんので、ルームカラオケで我慢しようと言うことになりました。 江南地区はルームカラオケでもそんなに安くないですから、ヨゥィドにしました。 ここでは韓国人も1人加わり、合計4人です。

梨泰院以外で外国語が通用するアガシを見つけるのは難しいのですが、 ラッキーなことに、日本の業界で働いたことがあるアガシが2人もいたのです。 前日の梨泰院と言い、日本帰りのアガシがいつもよりも多いように思います。 日本の景気が悪いので、戻っているのでしょうか。 一人は大阪梅田、もう一人は甲府で働いたとのことです。 どちらも「ヤーさん」が多いとのことで、甲府では手首から足首まで、総入れ墨の人を見たことがあると言ってました。

さらにラッキーなことにこの店では日本の曲が500曲くらい用意されていました。 日本人が良く来るのかと尋ねたら、私(呉)くらいしかいないとのことです。 えっーー、私のために入れてくれたのかと思いましたが、「この店は規模が大きい店なので、品揃えとして持っている」とのことでした。

勘定はお客4人で50万ウォンですから江南のルームサロンの半額以下です。 アガシの質は少し落ちますが、日本語の歌もあるし、日本語OKのアガシもいることですから、 なかなかいいのではないでしょうか。 最近の江南は値段が下がらずに、アガシの質だけが下がっていますので、 それを考えると、韓国名物のルームサロンの雰囲気が半分の金額で楽しめるので、これからもゲストを案内したいと思います。


前日報告した「食事編」と今日の報告で「韓国シロート」の出張者に対してもソウルの雰囲気を味わってもらうことができました。 出張者の世話をここまでやる必要はないのですが、韓国のことをもっと知ってもらいたいのと、 自分も飲み食いしたいので(一人ではこのような食堂/飲屋に行けない)、つい手厚い案内になってしまいます。


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