1997年12月2日号
韓国での北朝鮮情報

今日は最近の韓国での北朝鮮情報について報告します。

表題を見て、「北朝鮮については語ることは厳禁」であると思われた人がほとんどでしょう。 事実、 10年前には「北」の「キ」も言えない雰囲気でした。 不用意に何か言って申告制度でタレこまれる人も多かったようです。 私がソウル駐在になった今年初めに驚いたのは、随分と解放的になっていたことです。 勿論、申告制度は今でも有効ですから「容共的」な発言は厳禁ですが、社会/経済の話は一般的の人でも良く行っております。

今日はそれらの一例を紹介します。

TV番組での紹介
結論から言いますと、「よくこれだけ、北朝鮮を撮影したフィルムが韓国にあるなぁー、 と言うくらい、頻繁に放送されます。
私がTVを見た中でも二つの定時番組があります。

会社の同僚との会話
呉:日本政府は、日韓条約締結後、一貫して韓国政府を朝鮮半島における唯一の合法政府として認めている。 一例として、私の以前のパスポートには「このパスポートは世界のどこの国でも有効である【北朝鮮を除く】」 と書いてあった(4年前に取得したパスポートでは【北朝鮮を除く】の但し書は消えたが)。

同僚:確かに日本政府の態度は条約にのっとり正しい。 しかし、現状を考えると、 個人的な意見だが、日本だけでなく、他の国々も北朝鮮を承認した方が良いと思う。 これ以上彼らを孤立させると反って統一の妨げになる。 東西ドイツが好例だろう。 各国が東西のそれぞれを認めたからこそ、統一できたではないか。


韓国民は、国際的に社会主義国が破綻し、北朝鮮が社会主義を詐称する旧態依然の王朝国家と言うことを感じているようです。 しかも、その崩壊が迫っているのを感じて、すでに統一後をターゲットに置いた行動をしているようです。

南北関係は、10年前の「絶対的対立」から、すでに経済活動では水面下で交流が始まっているようで、 北朝鮮の数少ない輸出品目である鉄鉱石は第三国経由で韓国に輸入されているそうです。 また、会社の隣にある韓国の高級衣料ブランドである「LGファッション」の店でも、 ”Made in DPRK(北朝鮮の英語略称)”と書いたズボンが売られています。


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