1997年11月24日号
IMF、200億ドル救済金

韓国の経済危機に対して、韓国政府がIMFに対して200億ドルの救済金を求め、 IMFの専門家がすでに韓国に入国しているのは日本でも報道されています。

IMFに依頼する前に、日米の中央銀行(日本だと日本銀行)に対して水面下で、600〜700億ドルを依頼していたようですが、 IMF経由にしてほしいと断られた模様です。
200億ドルに減額されましたが、これは大変な金額です。 判りやすくするために、現在の実勢相場の1ドル、125円で計算すると、 2兆5千億円です。 湾岸戦争の時に、日本は1兆円の分担金を払わされましたが、 その2倍以上です。

2兆5千億円を韓国の人口の4千5百万人で割ると、1人当たり5万5千円です。 4人家族ですと22万円になります。 何で韓国国民自身でこのくらいの節約/増税ができないか、 とも思いますが、それはさておいて、例によって、私の友人、4人にIMF200億ドルについて意見を聞いてみました。 彼ら3人は、以前の私の「便り」に良く出てくる人ですが、今回は匿名にします。

A氏の意見

200億ドルは、必要金額の全額ではないが、使い方によっては充分、効果を発揮するだろう。 但し、今の韓国経済のままでは無駄金になってしまう。 次期新大統領も一生懸命改革に務めるだろし、 韓国人にも優秀な官僚がいるが、結局は韓国人では大改革はできないであろう。 何故ならば、政府と経済界の癒着が激しく、しがらみを断ち切ることができないからである。

個人的な意見だが、IMFが「金も出すが、口も出す」方式で、しがらみのない外国人が乗り込んできて、 彼らに改革を一切負かせる(ついては彼らに権力を与えないといけないが)ようにしたらいいと思う。 韓国人の気風として、外国人に改革を負かせることに反対も多いだろうが、これしか無いと思う。 IMFからの金だが、実際には日本からの金が多いだろうから、改革チームに日本人が入ったらいいと思う。 私は日本人を良く知っているが、私利私欲に走らず、困難に立ち向かう人が多く適任の人がいると思う。

なお、外部の人に改革をやらせて成功した例として、世界最大のコンピューター・メーカーが好例である。 全く違う業界である「クレジット・カード」、「お菓子」の会社の経営者だった人を社長にスカウトしてきて、 従来の社内のしがらみにとらわれずに改革を行ない、奇跡の復活を遂げた。

B氏の意見
私は韓国動乱に従事し、国家から勲章を貰った人間なので政府の批判はしたくないが、 現状を見ると、つい一言言いたくなってしまう。 今のままでお金を注ぎ込んでも、 飴に群がるアリのように、わけのわからない所に流れて行くだけだろう。 IMFが金を出す前に人を派遣し、充分調査を行ない、改善事項を勧告し、それが実施されるまで、金を渡さないようにしてほしい。
C氏の意見
呉さん、私は満66歳で、資産は、失礼ながら、50億ウォンあります。 しかし、今でも働いています。 働くことが好きなのです。 ソウルで生まれ、中学生の時まで「日本人」として教育されてきました。 日帝時代には色々なことがありましたが、日本人が良く働くことを実際に見てきて、 私は今でもそれを実行してます。

私達が若いときは「麦をカジッて(日本語で確かにそう言いました)」頑張ってきたのに、 今の韓国人は、月給が130万ウォンくらいしかないのに自家用車を乗り回し、 酒を食らって遊んでいるではないか。 その他、衣料でも何でも、高いもの、高いもの、と買いたがる。

D氏の意見
呉:
「大統領が国民に節約を呼びかけたが、国民は従うと思いますか?」

D氏:
「残念ながら、だめでしょうね。 国民は政府を信用してないし、 現在の過消費性向が改まるには、意識改革の時間が必要でしょうね。 すぐには無理です。」


以上4氏は、年齢、職業、経歴から言って、平均的な韓国人では無いかも知れません。 しかし、日本にいるとこのような話は伝わってこないと思いますし、 私が実際に聞いた話ですので紹介しました。


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