最近は韓国を紹介する本がたくさん出版されていますので、「キムジャン」のことをご存じの方も多いと思います。 今が、まさにキムジャンの季節なのです。 これから本格的な冬を迎えるにあたり、冬場の野菜不足をキムチでカバーするために、 大量のキムチを漬け込むのです。 平均的な家庭では白菜を50玉(白菜キムチ)、大根を50本(カクトゥキ)くらい漬け込むそうです。 ところが、最近の経済状況をすでに反映しているのか、今年は材料の値上がりが見られるとのことです。
キムチを漬け込んでから、1日経過するまでの間の「浅漬けキムチ」を食べるのが風習になっていて、
まさに1年に1回しか食べられない季節物です。 これを食べると、いよいよ冬を実感するようです。 「コッチョリ」と言うそうです。
日本人には発音が難しいですから「生(セン)キムチ」と言っても理解してくれるようです。
今日、会社の社員食堂で出してくれましたので、「なかなかやるなぁー」と思いました。
社員食堂と言っても会社の直営ではなく、「LG流通」と言う会社ですが、このような分野まで財閥の関係会社が進出しているのは韓国らしいです。
最近は食べ物による季節感が無くなって来ているのは、韓国も日本と同様で、1年中「コッチュリ」を出す食堂もあります。 とは言ってもあくまでキムチですから、メインディッシュではなく、メニューを見てもなかなか見つからないものです。 私がよく行く「チュオタン(ドジョウ湯)」専門店がそれです。 地下鉄2号線、建国大学駅の近くの「チュオタン食堂街」にあります。
キムジャンの季節になると、伝統的に「キムジャン・ボーナス」と称する特別賞与が出されていました。 最近の民間企業はボーナスが年間4回から6回ありますので、「キムジャン・ボーナス」とは言えなくなってきておりますが、 公務員は今でも支給されるそうです。
1年中食べることができる季節食品、形骸化しつつあるキムジャン・ボーナス、まさに変動する韓国社会を実感することができ、 興味深いものがあります。