1997年11月17日号

日本書籍


先日、蝦 春巻様 ご一行を案内した時に明洞で発見した日本の本の販売店に行ってきました。 場所は中国大使館の横で、日本書籍専門店が5〜6軒かたまっています。 韓国では同業者が集まって開業することが日本以上のようで、ある店が成功すると、近所に同業が開業することが多いとのことです。 消費者にとっては価格競争になり、歓迎できるのは良いのですが、少々高くても近所で用を済ませることができない、 デメリットもありますね。

「落書き帳」で推薦されておりました、司馬遼太郎の「街道を行く」を買うつもりだったのです。 店は大きくないのですが、大量の本が”ところ狭し”と在庫されており、目的の本もありました。 立ち読みしたところ、私の興味の中心である現代史ではないので、パスして別の本を買いました。 韓国人が日本語で書いた本で、鋭い分析に感心しましたので、別の機会に紹介します。

本の値段は日本円の表示を単純に10倍したウォンで買えます。 為替レートが現在は8倍くらいですので、輸入の手続きを考えれば、妥当な値段でしょう。 ある店の主人によれば、日本の大手書籍問屋(東通)から定期的に輸入しているそうです。

本の種類は単行本の他に、雑誌類が充実しています。 特に女性向けのファッション雑誌、 自動車、銃、ペットなど趣味の雑誌は最新版が充実しています。 このような趣味の世界では韓国の雑誌では得られないものが期待されているのではないでしょうか。 女子高校生が熱心にファッション雑誌を物色していたのが印象的でした。 年齢からいっても日本語が読めないと思いますが、写真を見るだけでも参考になるのでしょう。 コシノジュンコさんのファッションショーがソウルでも成功したのが理解できました。

店頭の写真はこちら....

総合雑誌では 「文芸春秋」が人気のようで、どの店も平積みにされていました。 同じ店で古本も扱っており、1年くらい前の「文芸春秋」を買いましたが、日本の本は希少価値があるのか、 日本での古本の感覚からいうと随分高く、4000Wでした。


政策としての「日本文化の輸入禁止」が建前となってはおりますが、民主化がこれだけ進み、 人々の趣味が多様化してくると、韓国語の本だけではカバーできない、若しくは翻訳したものを読んでいたのでは遅れてしまう、 ことが日本語の本に向かわせているのでしょう。 そうは言っても、韓国語に翻訳されている日本の本はびっくりするくらい多いのも事実で、 日本のベストセラーは、ほぼ100%翻訳されているのではないでしょうか。 「脳内革命」は本屋どころか、駅の売店で売っていますからね。


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