1997年11月13日号

風邪薬


昨日は風邪を引いて体調が悪いので会社を休んでしまいました。 私は会社ではただ一人の外国人ですし、近所に日本人の友人もいなく、こういう場合には心細いものですが、 そんなことを言っていては生活できません。 会社へ電話して休むことを連絡し、「まずは体力を付けないといけない」とのことで、 辛いものを食べ、汗をかいた方が良かろうと、「ユッケジャン」で腹ごしらえです。


ソウルで薬局を捜すのは、以前に報告したように、容易ですし、薬を買うのは言葉がよくできなくても心配無用です。
「カンギヤク ジュセヨ(風邪薬下さい)」、喉を手で示しながら、「ヨギガ アッパヨ(ここが痛い)」と、言いました。 これだけ言えば充分通じます。
最初に出されたのは、どうも喉の痛み止めの薬の感じで抗生物質ではないようでした。 私の体は何かあるとすぐに扁桃腺が腫れる弱点があることを自分で知っています。 また、扁桃腺炎は抗生物質でないと直らないことも知っていますので、出された薬ではダメだと思い、 「ハンセンムルチル(抗生物質)」と言ったら、カプセルの薬を3錠と、別の6錠を出してくれました。 説明書も何も無しです。 カプセル錠が1錠づつパックになったものから、切り出してくれただけです。 本当に韓国らしい「おおらかさ」です。 日本ですと、処方箋がないと抗生物質は買えませんし、 アレルギー症状がないか、と聞かれたり、時間を守って規定量づつ飲むようにとの注意がありますが、 そんな面倒な手続きはソウルではありません。

アパートに帰り、パックに書いてあるハングルを読みますと、一回に1錠づつ飲む方の薬には次のように書いてあります。

コオロン製薬 ステバイシン(いかにも抗生物質みたいな名前です)
一回目に薬を飲んだのはAM10頃ですが、昼過ぎには体が楽になってきました。 本当に韓国の薬は良く効きます。 抗生物質を飲み慣れていない日本人に対しては、特に効くのではないでしょうか。
扁桃腺炎には「うがい」が有効なことも知っていますので、蝦 春巻様ご一行のお土産として戴いた ウイスキー(ジョニ黒 12年物)で「うがい」しました。 さすがにアルコール度数45度だけあって、 うまく消毒できたようで、痛みを抑えてくれました。


韓国の売薬が強力なことは、日本人の間でも良く知られています。 日本のように健康保険が「皆保険」になってなく、病院に行くと高価であり、 だれでも行けない(行けなかった)と言う歴史的/社会的なバックグラウンドがあるからです。 日本の制度とどちらがいいのかは判りませんが、今回の私の場合のように持病ですと、 医者に行ったとしても「うがい薬」と「抗生物質」をくれるだけで、結果は同じことが判っています。 それでしたら、2400W出せば待たずに買える韓国方式も悪くないと思いました。 但し、韓国人に対しては、こんなに劇的に効かないそうです。 「耐性」になってしまっているのでしょうか。


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