1997年10月21日号

キャバレー訪問記


韓国のキャバレーは日本とは違うと聞いていました。 今まで数限りないくらい韓国人と飲みに行っているのですが、 10年くらい前に、「韓国で初めての日本式キャバレー」に一回、連れていってもらっただけで、 「韓国式キャバレー」は一回も行ったことがありませんでした。

昨日、夕食後(外食)、当てもなくリッツ・カールトン・ホテル近くを歩いていたら、 「三井ホテル」の地下のキャバレーのネオンサインが見えました。 「これは取材のチャンス!!」とばかり、 飛び込みました。

午後9時頃でしたが、たくさんの客が入っていました。 内部は今では日本であまり見かけなくなった大規模キャバレーと同じです。 中央に舞台があり、歌手が生バンドをバックに歌っていました。 その前にはダンスができるフロアーがあり、 デスコや社交ダンスなど曲に合わせて踊っています。 客席は6〜8人用のテーブルが主体です。
ここまではかっての日本のキャバレーとそっくりです。 違うのは、ホステスがいないことと、ウエイターがやたらに多いのです。 私のような1人の客はほとんどいないようで、入ってくる客を観察していると男ばかり3人とか、 女ばかり3人のグループが多いのです。
ウエイターに案内されるままに8人用のテーブルに付き、ビールを注文しました。 出てきたのは、ビールの小瓶が5本と、デラックスなフルーツの盛り合わせです。 その場で料金を払わされましたが、8万8千ウオンでした。 先払いなので、これでボラレることもないと安心しました。 しばらくすると「ママ」と称する女性が来て、少し話しましたが、私の語学力が弱いのと、 音楽がうるさくてほとんど会話になりませんでした。

だんだんお客が増えてきて、女性だけの3人連れと相席になりました。 その内の2人は派手な服を来ており、場慣れしている感じです。 ウエイターがその2人のところにひっきりなしにやってきて、他の男性客を指さして紹介しているような感じです。 その女性たちは目が肥えているのか、なかなかOKを出しません。 そのうちに、うなづいて紹介された男性客とダンスに行ってしまいました。 今から思うと最初に私のところに来たママさんは、誰かを紹介してやると言っていたのかも知れませんね。

派手な2人がダンスに行ってしまったので、テーブルに残ったのは地味な服装のアガシと2人だけになりましたので、話しかけました。 鐘路にある同じ会社の仲間とのことです。 音楽がうるさくてまともな話ができませんでしたが、 今度、一緒に食事でもしようかと言うことになり、会社の電話番号を教え合いました。 私はキャバレーの前の食事のときに真露を飲んでいましたので、酔いが回って来ており、 そのまま3人を残して帰りました。

今日の昼飯時に韓国人同僚にその話をすると、「ミスター呉、それは危険だ。 今後、そう言うところに一人で行ってはいけない」 と言われました。 以下、同僚の説明です。

韓国のキャバレーはミスター呉が感じたように「マンハント」、「マダムハント」の場だ。 男も女も中年以上の人が行くところだ。 ウエイターは男女のペアをアレンジしてくれ、成功謝礼としてチップを貰うのだ。

私(呉)は「でも若い男や女の客もいたよ」と言ったら、

彼らが一番危険で、男は「ツバメ」、女は「花蛇」と言われている。 中年の金を持ってそうなカモを見つけ、酒を飲んだ勢いでホテルに誘い、一緒に写真を撮り、 後日、配偶者にバラスと言ってユスルのだ。 10年くらい前に大きな社会問題となった。 中には純粋に不倫(韓国でも不倫と言うとのこと)相手を探している人もいるのだろうが、 見分けがつかないから始末が悪い。 ミスター呉は日本人だから金を持っていると見られ、 絶好のカモだ。


いやーー参ったなあぁーー。 昨日のアガシに会社の電話番号を教えてしまった。 でも、それ以上のことをしなかったので、ユスラレルこともないでしょう。


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