1997年9月5日号

通勤電車にて


自動車を車検に出している間、電車通勤をしました。 ソウルでは毎日、電車通勤で、乗客を観察する癖がついてしまいました。 日本でもその癖が抜けません。

今日は乗客が読んでいる本の日韓の比較を報告します。

教科書/参考書
これは言うまでもなく、誰でも想像できますが、ソウルの方が読んでいる人が圧倒的に多いです。 私の日本での通勤路に予備校がないことと、夏休みであることもありますが、 日本では車内で参考書を見かけることは少ないですね(期末テストなどのシーズンを除く)。 この一例だけでも、韓国の受験競争が日本よりも激しいことが想像できます。

ソウルの学生が見ている参考書は、「英語」、「化学」など、暗記ものが多いように思います。 「漢字」、「数学」、「物理」など、自分で書いてみないと覚えにくいので、電車の中は適さないのは当然でしょう。

社会人、男
ソウルでは車内で本を読んでいる社会人(男)は極めて少ないように思います。 大抵はスポーツ新聞を読んでいます。 たまに何か読んでいるのを見ると、仕事の資料のコピーですね。 製本された本は少ないです。 日本語会話の教科書を熱心に読んでいる人はたまに見かけますが、これも仕事の関係ではないでしょうか。

これに対して、日本の社会人(男)の読んでいる本(新聞)はバラエティーに富んでますね。 「週刊誌」、「文庫/新書本」、「ハードカバー本」、「マンガ/劇画雑誌」、「スポーツ/夕刊/一般新聞」、 内容も、「小説」、「ハウツーもの」、「経済/産業もの」など広範囲に亙っています。

我田引水かも知れませんが、韓国人が「仕事のみ」、という感じに対して、日本人の方が多様化しており、 画一化してなくて、各人が個性的なのではないでしょうか。

社会人、女
日本人(女)は文庫本を読んでいる人が多いですが、韓国では文庫本が無いのでしょうか、 ハードカバーの小説を読んでいる人が多いですね。 しかも題名が「人間の***」とか、「重い」ものが目につきます。 「軽ーーい」題名は韓国人は好きではないのでしょうか。

なお、日本も韓国も車内で新聞を読む女性は結構いますね。 私が社会人になったころの日本では、電車の中で新聞を読む女性は、ほとんどいませんでした。 女性の社会進出に比例しているのではないでしょうか。 一度、統計を取ってみると面白い結果が出るのではないでしょうか。

学生
ソウルの通勤は、地下鉄2号線で、「ソウル大学入口」は通過駅で、学生の乗客が多いです。 そのせいか、「インターネット***」、「TCP/IP**」、「Windows**」などのパソコン関係の本を読んでいる人が多いですね。 日本の学生街も同じような傾向だと思います。

2か月くらい前に、インテルの上級副社長が韓国を訪れ、記者会見しました。 彼いわく、「会社や事業所を除いた、一般家庭でのパソコンの普及率は韓国の方が日本よりもやや多い」 とのことです。 日本ではワープロ専用機の普及率が極めて高く、そうでない韓国とは事情が違いますが、 それにしても韓国のパソコンブームは大したものですね。 それに伴って、パソコン関係の本は多数、出版されているようです。


何気ない電車通勤の中にもお国柄が現れているようで、楽しいものです。 また、なにか気が付いたら報告します。


9月の目次に戻る みんなの落書き帳に進む