1997年8月15日号

光復節に思う


今日は「光復節」で休日です。 52年前の、今日、日帝時代が終わり圧政から解放された日です(国家創建を記念する日は10月3日で、別の祝日です)。

朝10時から独立記念館で大統領も参加して式典が行なわれました。 KBSでは、戦時中に日本に連行され、炭鉱やトンネル工事に従事した人達のことを日本で取材した 「謝恩碑の真実」と言う特別番組が流されていました。
厳しい労働の内容伝えるだけでなく、数多くの日本人にインタビューしてコメントを取っていました。 謝恩碑建立に協力する人や、当時のことを研究している学者、近くに昔から住んでいて当時を知っている年輩者のコメントです。 さらに、そのまま日本に住み着いた韓国人のコメントも取っていました。 なかなか公平な取材態度だと思いました。

知人(韓国人も含む)から良く聞く話ですが「韓国の放送はヤラセが多い」ので、 注意しないといけない、とのことですが、これを見る限りKBSは良心的ではないでしょうか。

実は勤務先に元KBSの上級重役の息子がいて、一緒に働いているのですが、 彼は父親から以下のように聞かされているいるそうです。

父親は、当時の年代の人が全てそうであったように、日本式の教育を受けていて、 日本人のことを良く知っている。 また、仕事柄、NHKともつき合いがあり、日本人の友人も多い。

日帝時代の日本及び日本人がやったことについては学校などで習ったことも真実ではあるが、 個人レベルでの日本人については知らないだろう。 「真面目に働く」、「無駄使いをしない」、「協力的」など、良い面がたくさんある。 お前も、そのような点を良く見て参考にすると良い。

父親は、私の同僚が大学生の時に一ヶ月間、日本でホームステイさせて、日本のことを勉強させたそうです。 単に日本カブレでなく、二つの国のことを良く知っているが故に、国際的にものごとを見る目ができたのでしょう。 その証拠として、息子には日本語でなく、英語をやるように勧めたそうです。 おかげで、私と彼とは英語で上記のような会話ができるわけです。

このような例は、至るところで見聞きします。 ある取引先の2代目社長はアメリカの大学を卒業しています。 その父親である会長の日本語は全く奇麗な日本語で、顔つきまで日本人で、韓国人でも「日本人だと思った」そうです。

全く同じ事が台湾の取引先でもあり、先代社長は日本軍に参加し、息子はアメリカの大学を卒業させています。 おかげで、この会社はアメリカの会社からも、日本の会社からも目をかけて貰っているようで、 取引額が急増し、今では台湾の株式市場に上場するまでになりました。 いくらビジネスとは言え、やはり相手のことを知り、自分を知ってもらい、人間関係を作ることが、結局は商売の発展にもつながるのだなぁーと、実感しました。

「三星財閥」の創始者は日本の早稲田大学を出ているそうですが、こちらはアメリカでなく、息子も同じ大学を卒業させたようです。


上記のような人々も、決して日本カブレではなく、不幸な歴史ではありましたが、 生の日本人に接した経験から日本人の素顔を良く見ることができたのでしょう。
日本に住んでいて、マスコミで報道されるだけの情報ではなかなか韓国の人々の素顔が見えてこないものです。 日本人も韓国のみならず、もっともっと、各国のことを知らなければならないと、実感しました。


それにしても韓国人同僚から、日本人代表として行動を観察されているのでは、あまり破廉恥なこともできないですね。


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