日本語>韓国語 翻訳
日本語から韓国語への翻訳は、文法体系が同じことと、約70%の漢字熟語(漢語)が共通であるため、 逐語訳が可能であり、一般には易しいと言われています。 しかしながら、実際にやってみると、そうは簡単ではないようです。 私は専門家でもありませんし、韓国語ができませんので、細部まで説明できませんが、 先日、会社で日本語の翻訳をしている人から質問を受け、確かに難しい点があるのを実感できました。
韓国では教育内容が毎年のように変更になり、世代によっては、漢字教育や外国語としての日本語教育を全く受けていない世代もあります。
極端な例では、中学生高学年になるまで自分の名前を漢字で書けなかったと言っている社員もいます。
最近は入学試験で外国語として日本語を選択出来る学校が多く、受験勉強のために日本語を習った人が多いです。
でも、あくまで受験勉強ですので、ペーパーテスト用で、会話ではありません。
私の勤務先では、カタログなど、顧客に直接配布する文書については専門の翻訳者に依頼しているのですが、
今回は、たまたま社内資料であり、時間が無かったために、上記のように受験用日本語をやってきた一般の韓国人社員が手分けして翻訳しました。
もちろん、素人の翻訳ですから、なかなかうまくいかず、私のところに質問がきました。
以下に質問の一例を示しますが、素人故に陥りやすい初歩的な質問ですので、却って翻訳する時の注意点が浮き彫りされているように思います。
この例のように、本来の動詞の意味を借用して、少し違う意味に使われていると難しいですね。 辞書にはここまではなかなか書いてないでしょう。 同じことが他の言語でもあり、英語で「Taylor」と書いてあっても、 服を作るのではなく、「特別に作る(カスタム・メイド)」ような意味に使われいるのが、一例です。
質問者:そうですか、それでは「件別対応」と書いておきましょう。
質問者:なるほど、それでは「教育」と書いておきましょう。
以上の私の説明が正しいのか、正しいとしても相手に理解されたか、難しいものがあります。 その国の言葉を覚えると言うことは、たんに辞書に書いてあることを覚えるだけでなく、 その後ろにある両国の文化・習慣・風俗まで理解してないと正確な翻訳が出来ないことを実感できました。
冒頭に漢語の約70%が日韓で共通と書きましたが、文字は共通でも意味が微妙に違うこともありますので、 これらについての配慮も必要でしょう。
日本人がヨーロッパの言語を習うのに比べて韓国語の方が簡単だと思って、 飛びつくのは間違いだと言うことを、ここでは強調しておきましょう。 少しは簡単かも知れませんが、そんなに甘いものではありません。 さらに、「英語をやりたいのだが、取り敢えず韓国語で外国語に慣れてから」、と言うのも間違いです。