1997年8月8日号

ソウルのローカル線


ソウルは人口1000万の大都会なのですが、市内をローカル鉄道が走っています。 ローカル線と言っては怒られるかもしれませんが、確かに利用客も少なく本数も少ないのです。 「KNR京元線」のうち、ソウル市内を走っていて、京釜線(ソウル−釜山を結ぶ韓国の大動脈)の「龍山駅」から 「清涼里駅」まで運行しています。

「龍山駅」は「ソウル駅」から2つ目の駅ですが、大操車場が付属しており、 戦前から鉄道の要所であったものと思われます。 その龍山から分岐して漢江沿いに東に向かって走り、清涼里までのんびり走る路線です。 この路線も戦前から存在していたように思いますが、 現在ではソウルのメジャーな繁華街/住宅街の位置関係がずれてきたのと地下鉄が発達したせいでしょうか、 利用客が少ないようです。

私はこの路線に乗るのが好きで、朝晩、利用してます。

好きな理由は;

地上を走るので眺めが良い。しかも漢江沿いで、夜にはライトアップした橋がとてもきれいです。

混雑してなく、まず100%座れる。

ゆっくり走るし、駅間距離が長く、セカセカしてない。 れっきとした国鉄(KORAIL)の首都圏の路線で、車両は古くなく、標準軌のワイドトレッド、 交流電化(AC2万5千ボルト、トロリー)です(つまり直線なら日本の新幹線の車両でも走行可能?)。 それだけの能力を持っていながら、ゆっくり走るのが韓国らしくなく、好きです。 道路では車の割込みが常識のソウル交通事情からは別世界にWARPしたような気分になります。

日本からの来客があったときは、いつもこの路線に案内して、ソウルにもこんなところがあると宣伝しています。 ある来客は、夜景が奇麗だと感心していました。


交通関係の話題

地下鉄2号線は疲れている。
ソウルを取り巻く環状線ですが、例の「聖水大橋」の落下後の一斉点検で、 この路線の鉄橋も危いことが判明し、掛け替え工事中で、環状の輪が切れています。
2〜3日前には脱線(脱輪)で朝から8時間、部分運休しましたし、 2か月程前には変電室が火事になりました。 エアコンの効きも悪い。

この路線は古いためか、頻繁に問題が起こります。 最近はできるだけこの路線に乗らないようにしてますが、ゼロにはできていません。

順法運行
1か月ほど前に「地下鉄公社」の組合の「順法運行」がありました。 いつもは駆け込みでドアが締まってしまうのですが、待っていてくれるので、 おかしいと思ったら組合活動の一環だったようです。 韓国に来る前はこちらの労働運動は過激だと認識していましたが、 かっての日本の国鉄のように「順法闘争」と言わずに「順法運行」 と言ってますから、おとなしくなったのでしょう。

飛行機事故は続く
20年以上前の日本では一月間に3・4回の墜落事故がありました。 今回のグアムの事故でもその時を思いだし、もうじき日本に一時帰国するので、 いやーな感じがしました。
ところがなんと、グアムと同じ日に韓国空軍のF16戦闘機が京畿道に墜落しました。 乗務員は落下傘で脱出し、落ちた所も田んぼで死傷者はいませんでした。 不謹慎ですが、これが厄払いになってくれればいいのですが.....


今日はまとまりの無い話ですが、最近の交通関係の話題をまとめてみました。


8月の目次に戻る みんなの落書き帳に進む