1997年8月5日号

魚屋


勤務先が鷺梁津水産市場に近いせいか近所には魚屋がたくさんあります。 日本の魚屋のように切り身はあまりなくて、一匹丸ごとがほとんどです。 水産市場の近くということもあるのでしょうが、普通の町なかの魚屋と違って、 特殊な魚ばかり扱う魚屋も結構ありますので紹介します。 いずれも生きたまま売っているものです。

雷魚
日本では見かけることが少なくなってしまいましたが、当地では強壮食品として人気があるようです。 産後の肥立ちに良いとのことです。 子供のころ日本で食べたことがあるだけで、こちらでは食べておりません。 白身で味も鯛に似ていて、日本でも戦後すぐには鯛と偽って出していた店もあるようです。 でも寄生虫がいると言われ、すたれてしまいました。 こちらでは40cm位のものが売られています。

ドジョウ
「チュオタン(鰍魚湯?)」としてこちらではポピュラ−な料理に使われます。 ドジョウを完全にすり潰して粉にして、野菜、唐辛子と一緒に煮込んだスープです。 李 正馥さんの家の近くには「チュオタン」の店が軒を並べており、美味しい店がたくさんあります。 韓国では、ある店が評判を取ると、同業者が近くに開店することが多く、競争しあって、 結果的に名物街になって行きます。

粉にせずに、ドジョウを生きたまま豆腐と一緒に鍋に入れて煮立てる、 つまり日本の「柳川」式の「チュオタン」もあるようですが、少数派で、まだ経験してません。

近所で売っているのは「養殖」と「中国からの輸入」の2種類でした。 韓国産の天然ものは売って無いようです。 韓国ではもう無くなってしまったのでしょう。 どちらも日本の「柳川」に使うものよりも大型で太っています。 日本で使うものも今ではほとんど輸入でしょうから、小型のものは日本に輸出し、大型のものを韓国に振り向けているのかも知れません。

うなぎ
昔はうなぎの皮を使った財布やバッグが韓国みやげとして有名だったのですが、 今では少なくなりました。 表示が無いですが、輸入品が多いのではないかと思っています。 昔はウナギの養殖地として有名だったソウル北部の郊外が宅地化されてきて、 土地成金で廃業したのでは無いでしょうか。
15年位前まではこの辺りは北朝鮮に近い理由で地価が安かったのですが、 以前書きました「100万戸住宅建設」などで、地価が暴騰したようです。 例によって「巨額賄賂の横行時代」ですから、事前に情報を入手して大儲けした人がいたことでしょう。

韓国のカバ焼きはタレがまずいので、折角の御馳走が台無しです。 従って、最近は全く食べていません。

アナゴ
韓国語のコトバがあるのですが、日帝時代のなごりで「アナゴ」と言っても通じます。 こちらの人はアナゴの刺身が猛烈に好きなようです。

カメ
よく判りませんが、スッポンなんでしょうか。 生きたのを売ってます。 でも町中では「スッポン料理」の看板はほとんど見かけませんし、 友人に聞いても知らない人が多いです。 ところが駅三洞の食堂でスッポンの絵が書いてる看板を見かけましたので、 一部には好きな人がいるのでしょう。

その他
ナマコ、ホヤは当地では非常にポピュラーです。 私はこれらが好きなので、具合がいいです。 但し「コノワタ」は一回も食べたことがありません。 社用で相当高級な料亭に行った時もこれだけは出たことがないですね。 高値で売れる日本へ輸出されているのでしょう。

あと、ヘビを売っているのは見たことがないですね。 別の市場では売っているのでしょうか。


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