1997年8月2日号

課内夕食会


金曜日の仕事終了後は各課内での夕食会がありました。 日本の会社には無い風習ですが、私の韓国の勤務先では毎月1回の課内夕食会の予算が課長に割り当てられています。 私はどの課にも属してないので、仕事で関係がある課から招待を受けることが多く、「役得」を謳歌してます。

以前から話してますように只一人の外国人であることから誘う方も誘いやすいし、 私は韓国語がまともにできないので、逆に各課長が課員に英語の勉強とまではいきませんが、 雰囲気をわからせることと、英語ができると外国出張などもできるようになると、 目的意識を持たせようと考えているようです。 実際にある課長から「相手が判らないときに、韓国語の単語や筆談で助け船を出さないでほしい。 それでは勉強にならない」と言われたことがあります。

毎月1回の予算ですが、今回の夕食会は前回の予算が余ったので2回目になり、 高いところに行けないので、「ピザハット」にしました。 ソウルではピザが大流行で、どこの店もお客が列をなしています。 メニューはアメリカのピザハットとほぼ同じで、味も同じです。 原材料を輸入し、調理法も同じにするよう、フランチャイズ契約がなされているのでしょう。 但し、「トニー・ローマ」でも書きましたように、本場アメリカよりも高いです。 「45年ぶりの日本語」で書いた「デリカテッセン」の主人によると、 原材料の輸入関税が約8%、チェーン店としての上納金が売り上げの6%とのことです。 人件費が高いこともあり、これでは高くなってしまうのは当たり前です。 ピザハットでも同じくらいの数字でしょう。 10インチのミックスピザが13000ウオン(約1800円)ですから高いですね。
韓国の若い人は急激に「キムチ離れ」が起こっており、ハンバーガーやピザばかり食べたがって困ると、 ある課長が言ってました。 彼はピザハットの割引カードを持っており、月に一回は家族を連れて行くことにしているようです。 これだけ民族意識が強い韓国でも核家族化/アメリカナイズの大波が押し寄せてきているようです。

食事だけで終わらないのが韓国式です。 二次会は予算の関係で安いところにしました。 これまたソウルで大流行の「ホプ」です。 ビヤホールなのですが、日本でもアメリカでもない独特の感じです。 大画面のTVでビデオを流したり、BGMを流しています。 値段は安く、2リットルのピッチャーが5000ウオン(約670円)で、 おつまみは一皿8000〜13000ウオンで、4人で一皿頼めば充分でしょう。 この店では、丁度、「チョ・ヨンピル25周年記念コンサート」のビデオを流していました。 彼も昔の演歌でなく、今風の歌を唄っていました。 ここにも時代の波を感じました。


今日の報告で、韓国のサラリーマン生活の一部が紹介できたと思います。 それにしても費用会社持ちの夕食会というのは日本にないですから驚きです。 給料が安いのを補填する意味と、伝統の大家族的なつき合いを狙っているのでしょう。 各課だけで毎月一回ですが、この他、1/4半期ごとの会社業績発表会の後には必ず、 食事と酒がつきものですし、管理職だけの「勉強会」もあります。 その他「接待大国」で書いたようなこともありますので、 ソウルの飲食産業が巨大なのが実感できます。


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