1997年7月31日号

冷麺


落書き帳では食べ物の話で盛り上がっているようですので少し調べて見ました。
今日は韓国の取り引き先の納入業者が午前中に来て、昼飯の時間に食込んでしまいましたので、 会議終了後、 一緒に食堂に行きました。 ソウルの夏は暑いので麺類が良かろうということになりました。 会社の裏に「春川会館」と言う名前の食堂があるのでそこに行きました。

以前から書いておりますように、韓国では地名によって美味しい食べ物の名所が通説になっています。 「全州ビビンバ」が代表的な名前です。
「春川」は江原道の道庁所在地ですが、何が美味しいのでしょう?   答えは「マk・クk・ス」です。 見た目は「冷麺」の麺と同じですので韓国人に両者の違いを聞いてみました。 さらに、裏付け捜査をするために退社後、スーパーで乾燥した冷麺を買って成分を確認しました。

以下にそれらの「粉食」(脚注参照)について列記します。

冷麺(ネンミョン)
袋に書いてある成分表によると原材料は;

小麦粉、サツマ芋澱粉、ソバ粉、精製塩

となっています。俣本ソバと違うのはサツマ芋澱粉が入っていることです。 「辛ラーメン」の麺が美味しい秘密はジャガイモ澱粉が入っていることだと独断していますが、 冷麺の美味しさの秘密はサツマ芋が入っていることのようです。

冷麺(ネンミョン)には調理法により以下の2種類があります。

「ムル・ネンミョン」:酢の味がするスープに麺が入っており、洋カラシ(マスタード) を入れて食べる。

「ビビン・ネンミョン」:スープが無く、唐辛子味噌と混ぜて食べる。 日本の「冷やし中華」のノリですが、味は全く違う。

冷麺が名物になっている地名は「ピョンヤン」です。 枕ナ近は韓国の政治家や高級官僚がピョンヤンを訪れることが多いのですが、 本場のはずなのに、ピョンヤンで食べる冷麺よりもソウルで食べるものの方が美味しいと言っているそうです。 逆に北朝鮮の人は「本場の冷麺だ。 美味しいだろう」と、正式会議終了後の食事でも張り合っているそうです。

マk・クk・ス
こちらは成分表を入手してないですが、韓国人によると、冷麺の成分からサツマ芋を抜いたもののようです。 つまり「日本そば」と同じ成分です。 しかし、味が違います。 ソバ粉の種類が違うのか、割合が違うのか、撹拌が違うのか、今後さらに追及してみます。

調理法は冷麺と同じで、スープ「有り」と、「無し」、があります。 さらに「無し(ビビン)」の変形で、生野菜を大量に入れたのがあります。 鮪рヘこれが好きです。

頭に被せる地名は「春川」です。魔ツまり「春川・マk・クk・ス」です。

コン・クk・ス
上記「マk・クk・ス」と接頭語が違うだけですが麺が違います。 末ヒは日本の「冷麦」と全く同じです。 ただし、「付け麺」として食べるのではなく、一見、牛乳のようなスープに入っていますが、 牛乳ではなく、大豆を摺り潰した「豆乳」です。 柾ュし甘みがありますので、ただの「豆乳」では無く、もう一種類の何かが入っているようです。


ソウルの夏は気温が高いだけでなく、湿度が高く、「不快指数」は東京の比ではありません。 あと2週間は我慢が必要でしょう。 魔ウいわい、私はアパートでエアコンを入れて寝ているので熟睡できますが、韓国人同僚は寝不足で勤務時間中にアクビをする人が多いです。
こんな季節こそ、上記、麺類が美味しく食べられます。


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粉食(プン・シk):
「米」をベースにせずに「粉(主として小麦粉)」をベースにした食べ物の総称。 「麺類」、「ギョウザ、シューマイ(どちらも「マンドゥー」と言う)」の類を言う。 なぜか韓国では「ハンペン」もこれに含まれている。 魚の「スリ身」なので、 「粉」と言っても大きな間違いではないですが....

確か中国語でも同じような語彙があったと思います。 北京地方、山東地方は気候が寒いので米が取れず「粉食」が名物です。

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