1997年7月16日号
鷺梁津水産市場


私の勤務先は国鉄「鷺梁津駅(ノ・リャン・ジン駅)」のすぐ近くにあります。 有名な大韓生命ビル(DLI63)から漢江を南に向かって渡ったところです。 駅に隣接して東京の築地のような水産市場があります。 最近は予備校(韓国では「学院」と言う)の街としても有名です。 また、野党時代の金 永三大統領の事務所があったところで、その取締まりのためだったのでしょうか、近くには大きな警察署があります。 ところで、金 永三氏が何回も警察に検挙されたことがあるのを覚えていますか。 それにしても警察に検挙された経験がある人が大統領になったり、大統領だった人が死刑判決を受けるのですから、 すごい国ですね。

日本人から見て伝統的な韓国料理が有名ですが、実は刺身などの海産物も韓国人が好きな食べ物なのです。 当地の大半の人は好きだといいます。 水産業の生産高を知りませんが、夜間の便で成田からソウルまで飛ぶ時、窓際に座ると、 日本海上空から、日韓の(多分)イカ釣り漁船が集魚灯を付けているのが見え、とても奇麗です。 となりに座った人が「日本海海戦だなぁ−」と物騒なことを言ってました。 確かにあれだけ多くの船が公海上で良い場所の取合いをするとイザコザはあるでしょうね。

先日、友人が出張してきた時に韓国人一人と一緒に会社の近くの鷺梁津水産市場の2階にある食堂街に行きました。 メニュ−を見ると大半が刺身セットで値段別にランクされています。 3人ですので7万ウオン(約1万円)の刺身セットが適量とのことで、それを注文しました。

まず出てきたのは、例によって大量のキムチ類のサイドディッシュと海苔巻(キム・バと言う)です。 残念ながら夏場のせいでしょうか「ケジャン(生カニのカラシ味噌あえ)」は出ませんでした。 これだけのサイドディッシュがあれば普通の日本人はそれだけで満腹になる量です。 次に出てきたのはメインディッシュの刺身の盛り合わせです。 これも大量で日本人なら5人前くらいの量です。 ところが量が多いのはいいのですが3種類しかないのが玉にキズです。 日本人の感覚ですと1種類は10切くらいにして魚の種類が多い方が歓迎ですが、 これも食文化の違いだと納得しました。 魚は「カンパチ」、「ヒラメ」、「スズキ」で、全て白身の魚です。 「ハマチ」でなくて「カンパチ」だったのが良かったです。 日本の寿司屋で「ハマチ」と、注文したら「カンパチならありますが」とこしゃくなことを言われたことを思い出しました。 「うちには養殖物なんか置いてない」と言いたかったのでしょう。 韓国でも同じようなことがあるのかどうか、次回までに「ハマチ」の韓国語を覚えて注文して試してみましょう。

早速、「イルボンカンジャン、ジュセヨ(日本の醤油をください)」と言ったら、 ちゃんとキッコ−マンを持ってきてくれました。 私はキッコ−マンの「丸大豆」を愛用してますがそこまでは置いてないようです。

ビ−ルやご飯を取りましたので合計9万ウオン(一人あたり4千円)でした。 日本と同じかやや高い感じですが、これでも市中で食べるよりは安いとのことです。


焼き肉と同じでこのようなレストランは一人では行きにくいものです。 先週来の出張者ラッシュは私にとって高級韓国料理三昧で楽しかったです。


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