1997年7月15日号
語学上達の一条件

先週の来客のなかには私が日本にいたときの同僚も含まれていました。 久しぶりに一緒に飲みに行く話がまとまりましたがルームサロンに行っても高いし、 韓国の歌は歌えない上に言葉が通じないとあってはお金の浪費になるだけです (ルームサロンには日本の歌はまず用意してない)。 彼は英語が上手なので梨泰院のアメリカ人相手のスタンドバーが良かろうと言うことになりました。 ここですとアメリカ式で一杯飲む毎にお金を払いますからボラれる心配もなく、適当なところで切り上げられます。 チップも一杯飲む毎にカウンターの上に置いておけばいいのです。 勿論、英語は通じます。

時間が早かったせいでしょうか、だれもお客がいなくて店のアガシが「お茶を引いて」いました。 われわれがカウンターに着くとやや年配(35歳くらい?)のアガシが相手をしてくれました。 アメリカ人相手の店ですが、時々は日本人が来るそうです。 友人の英語が上手だとみるやアガシがどんどん話しかけてきます。 その英語の上手なことと言ったら私が今までに聞いた韓国アガシの中でも5本の指に入るでしょう。 「どこで英語を習ったの」と聞いても「学校で」としか言いません。 私が「そんなはずがない。 アメリカ人の愛人(韓国では恋人の意味)がいるのだろう」 と言っても答えません。 しかも外国へは、沖縄に半年住んだことがあるだけで、その他のところには行ったことがないとのことです。 そのうちに友人が「ヤボなことを聞くな」と制しました。

店を出てから友人と話しましたが、10年以上アメリカ人と一緒に生活しなければ、 あれだけネイティブな発音はできないと言うのが我々の結論です。 私の会社にはアメリカの大学を卒業したアジョシ(男性)やオーストラリアに半年住んだことがあるアガシがいますが、 はっきり言って私の英語より下手です。

先ほどのアガシはどんな事情があるのか判りませんが、そこは商売ですから日本人と見ると金を持っていると思っているのでしょう。 「日本人ならルームサロンに行くでしょう。 こんど行くときは一緒に連れて行ってほしい。 ルームサロンにいるアガシの半分のチップ(つまり5万ウオンのことか?)でOKよ!! ルームサロンに行っても言葉が通じないのでは面白くないでしょう」 と、こちらの事情を見透かすようなことを言います。 冗談かと思っていたら本当にポケットベルの番号を教えてくれました。 二次会で別の店に行ってからテストでその番号にかけてみたら、ちゃんと本当の番号でした。


以上の話を韓国人の同僚や友人に話すと全員そろって「そのとうりだ、外国語を覚えるには異性の友人を持つのが一番だ。 ミスター呉も韓国語を覚えるためにアガシの友人を持たなければならない」と言います。 私はいつも「地下鉄やタクシーに乗れることと、食堂で好きなものが注文できるので、 いま以上に上手になろうとは思わないので必要無い」と答えています。 こんなことが何回も繰り返されているのですが、あるとき同僚が言いました。 「会社内ではミスター呉は女性が好きではないと言う噂が流れていますよ」
「何ーーー。 俺はホモではないぞーーー!!!」、、、トホホ....


以前、報告したように何とか韓国人の「濃厚な」人間関係に入れてもらえたようですが、 さらに「濃厚」にするために言葉を覚えさせようとしてくれます。 頼めば語学の先生役のアガシも捜してくれそうですね。 でも「小銭バラマキ」のことを思うと踏み切れません。

先日のタクシー運転手といい、どうしてこちらの人は日本人男性と見ると韓国アガシとのカップルを作りたがるのでしょうかね。 これを読んだ皆さんも期待し過ぎて暴走しないようにしてくださいね。

それから、生半可な英語で梨泰院のスタンドバーに行くと、アガシの英語が旨すぎて、 却ってつまらないので注意してください。 事実、我々がいる間に日本人観光客のグループが入ってきたのですが、 恐れをなしてビール1本だけで帰りました。


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