1997年7月11日号
バースデー・ケーキ


韓国人の人と人のつき合いは日本人のそれよりも「濃厚」だと言われます。 例えば、日本人旅行者が、街で若い韓国人女性同志が手をつないで歩いているのを見ると「ギョッ」とすることなどが、 その一例です。

今日、会社で「濃厚」な場面に出会いましたので報告します。

昼過ぎに同じ職場の女性が来て、H氏の誕生日なのでお祝いをするから会費を出してほしいとのことでした。 もちろん、すぐに趣旨に賛成して献金しました。
全員から集金した女性たちは、近所のケーキ屋さんでバースデー・ケーキを買ってきました。 ただ一人の外国人と言うことで、私の事務机は現地人社員よりも広い場所が提供されているため、 直ちにパーティー会場になりました(もちろん、勤務時間内です)。

35歳になったとのことで、長いローソクが3本と短いのが5本に点火され、 主人公による「吹き消し」と「入刀」が行なわれました。 ケーキだけでなく、ソウル名物の屋台で買った「ジャガイモの丸ゴト空揚げ」、「スンデ」、 「牛レバの水炊き」も添えられて、ちょとした立食パーティーです。

あとでH氏の上司に聞いたら、管理職としては部下の誕生日を把握していて、 忘れないようにするのが務めであるとのことでした。 逆に日本ではどうかと聞かれましたので、「職場でこのようなことをすることは無い」と答えました。

私は、ただ一人の外国人であるが故に「濃厚なつき合い」の仲間に入れてもらえたようです。 これが二人以上ですと言葉の問題もあり、「日本人村」を形成し、こんなわけにはいかないでしょう。


「濃厚」な一例を紹介しましたが、逆に、 知らない人には「そっけない」のも韓国人の特長で、これからも紹介して行くつもりです。 日本人は誰に対しても「なんとなくあやふや」なつき合いをしていますが、 韓国人の「白黒をはっきりする」国民性がこういうところにも表れているようです。

よく韓国人が「日本人はよそよそしい」と言いますが、確かに彼らの「濃厚さ」から見れば、そのとうりでしょう。 文化・習慣の違いを理解しないと、思わぬところから亀裂が生じることでしょう。 日本企業の海外進出が盛んですが、アメリカでの「セクハラ事件」、 マレーシアでの「ストライキ」なども、このようなところに一因があるのかも知れません。


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