1997年7月5日号
イジメ


最近のTVニュ−スでは学生のイジメについて報道されない日は無いくらいです。 相当に深刻な事態のようです。 ニュ−スの内容を完全に理解できてませんが、集団で暴行するようで、 暴行を受けた傷あとをTVの画面に写します。 日本のように陰湿なイジメや自殺があるのかどうかははっきりしません。

検挙された学生は一様に膝の上に頭を伏せ、顔を伏せています。 どの学校でも検挙されたら同じ格好をするので不思議な感じがします。 ふてぶてしく顔を上げているのは一度も見たことがありません。

こういった社会風潮を見てますと、日本と同じことが起きつつあるように思います。 「酒鬼薔薇聖斗」みたいな事件が伝染してこなければいいのですが、 この種の事件は社会状勢を鋭く反映しているので、残念ながら同種の事件が起こりうる、と言うのが私の見解です。

またまた古い話で申し訳ないですが、40年くらい前にシドニ−・ポワチェが出演したアメリカ映画 「暴力教室」が封切られたときには、 アメリカの学校では日本では想像もつかないことが起こっていると、大反響を巻き起こしたものです。 でもこの映画が描いたのはイジメではなく、学校そのもや教師に対する暴力です。 自分より弱いものに対するイジメではないのです。

ところが、「酒鬼薔薇聖斗」は学校への怨みを弱い者に向けています。 韓国のイジメも同じ力関係になっているように思えてなりません。
つまり;

厳しい受験競争、これは韓国中で成績が一番の人以外には敗北感/挫折感を醸成させるもとになるでしょう。 オリンピックで銀メダルを持ち帰っても、「何故、金でなかったのか」と言われる国柄は余計にそれを加速するでしょう。 「白か黒か」をはっきりつけたがる国民性では銀メダルは「負け」でしかないのです。

そうかと言って、学校や社会に反抗しようとしても、「儒教精神」による心理的な抵抗、 強大な警察/軍隊の力で、結局は弱い者に向けられてしまうのではないかと思います。

かっては、日帝の圧政に対して「3・1運動」に立ち上がった人たちの子孫が現在は弱い者イジメをしていると思うと、他人事ながら情けなくなります。

上記には私の想像と勝手な解釈が入っていますが、現実にこの国で起こっていることを見ると、 あまりにも日本と似ていますので、私の予想が的中しないことを祈るばかりです。


日曜日から来週にかけて、3組の出張者が、日本、中国からやってきます。 どこに案内するか悩ましいところですが、韓国式の献杯はできるだけ少なくするようにしたいです。 これも一種の弱い者イジメじゃないでしょうか。


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