1997年7月3日号
韓国映画、「西便制」


アパ−トでは衛星放送に加入してなくて、言葉もよく判らないこともあり、あまりTVを見ませんが、 先日、「トホホ」さんの家からビデオテ−プを借りてきたので見ました。

昨年の12月までは、まさかソウル勤務になるとは思っても見なかったので、 韓国に対する興味も忘れさられようとしてました。 もっとも、それまでに韓国について日本語で書かれた本は積み上げると1mくらいになるでしょうし、 出張も30回以上あり、韓国に泊まったのは通算して150日くらいにはなるでしょう。

ときどき日本のTVで放映される韓国映画もあまり見てませんでした。 いつぞや「金 賢姫」のことを描いた映画が放映され、スト−リだけに終始し、 映画としては「大したことない」と韓国映画全般を見くびっていたのが正直なところです。 ところが、今回借りてきたビデオは日本語字幕付きで見ましたが、素晴らしい作品です。 私は上記のように日本人の平均レベルの人よりは韓国についてよく知っていると思ってましたが、 この映画は知りませんでした。 まだ見ていない人も多いと思いますが、どこかで見つけて下さい。 「西便制(ソ・ピョン・ジェ)」と言う名前の映画です。
早速、韓国人同僚にこの映画について意見を聞いてみました。

この映画は数年前に発表され、韓国で大ヒットした。 パンソリ(韓国の伝統的な歌)に打ち込む人間像を描いたものであるが、 「西便制」の名前からわかるように西の地方、つまり全羅道の伝統的歌のことである。 東の地方(慶尚道)に根ざした「東便制」と言うパンソリもある。

監督はこの映画以前から有名だったが、この作品で大金をつかんだことだろう。 ヨ−ロッパの映画祭でも賞を取った。 主演女優はこの作品でデビュ−し、一躍有名になった。 字幕では微妙なところが判らないだろうから、原語で理解できるともっと良い。


まあ、見ていない人が多いところで、私がいくら言っても理解されないでしょうが、 私が感心したのは以下の点です。


とにかく、素晴らしい作品でした。 ただ、映画の内容からそうしているのでしょうが、 画面が暗く、導入部が重たい感じがして、最初に見た時は5分でスイッチを切ってしまいました。 日曜日に暇を持て余して、「しょうがないから見るか」くらいの気持で見はじめたのですが、 すぐに引き込まれてしまいました。

韓国についての知識が全く無い人には面白くもなんでもない映画でしょうが、 多少なりとも興味を持っている方には、是非、お勧めします。 日本語字幕版のビデオは捜せばあると思いますよ。


7月の目次に戻る みんなの落書き帳に進む