1997年6月23日号

日本人料金


韓国では日本人はよく「ボラレる」と言われます。 私も21年間の韓国の経験がありますが、昔はよくボラレたものです。 しかし、最近はよくなって来ているようです。
模範タクシ−でなくて、普通のタクシ−に乗っても、 最近はメ−タ−以上を請求されたことがありません。 地方の不便なところに行くと、 メ−タ−どうりにはいかないそうですが、このような場所は韓国人でもボラレるとのことです。
最近はタクシ−に限らず、ボラレたことがないですね。 多少なりともKorea語を話すと、 違うのでしょうか。 逆に、まけてくれたこともあります。

10年前に梨泰院でイミテ−ションのカバンを買った時のことです。 値引きを要求して、しつこく粘っていたら、中から女主人が出てきて、 「(お前は)我々のコトバを話すので、まけてやる」と言われたことがあります。 当時はオリンピック前で、日本人でKorea語を話す人は多くなく、 日本人がこちらのコトバを話すのが、嬉しかったのでしょう。

一般生活では日本人に対する暴利が無くなってきていますが、 サブカルチャ−の分野ではまだまだ日本人はカモのようです。 「ソウル一人ぼっち」の私ですが、最近はインタ−ネットのおかげで、 何人かの日本人の知人ができ、ボラレの例を聞きました。

飲み屋にて
新村のアガシが横についてくれる店(ル−ムサロン?)に二人で行って、 150万ウオン請求された。

「接待大国」でも報告しましたが、ル−ムサロンではお客一人について、 30万ウオンが相場です(4万円強)。 たしかに高いのですが、時間にあまり関係がないので、こちらの人は2時・3時まで粘るのです。 ハシゴをすると、大変です。

二人で150万ウオン(20万円強)は、相場の2倍以上ですね。 新村は学生の街として有名になりすぎましたが、「学生街だから安い」と言う感覚が通用しないようです。 悪質な店も進出しているようで、これを読んだ日本の皆さんも充分注意してください。

アンマにて
地下に共用の風呂があり、入っているとサンスケが来て、有名な「垢すり」をしてくれた。 その後、個室で待っていると盲人のおばさんが入ってきて、本式の按摩をしてくれた。 気持が良かったので、もっとやってほしかったが、10分くらいで出ていってしまった。 入れ代わりに可愛いアガシが入ってきて、「特別マッサ−ジ」をすると言う。 ここまできて、おかしいことに気付き、値段を聞いたら15万ウオンとのこと、 韓国人に聞いていた相場である7−10万ウオンよりも高いので、「高い」と言ったら、 アガシは正直にも韓国人なら10万ウオンで日本人は15万ウオンと答えた。 まあ、これは暴利の中でも「二重価格制」でしょうか。 でも、このアガシは正直ですね。 この辺が「憎めない人たち」と言われるところでしょうか。

40年前、馬山の軍隊駐屯地にて
Lさんは知り合った日本人船長に日本語の専門書「機械工学便覧」の購入を依頼した。 船長は約束を守り、次に韓国に寄港した時に、その本を駐屯地まで持ってきてくれた。 Lさんが「何かお礼を」と言っていると、船長は「女郎屋」を紹介してほしいとのこと。 Lさんは部下に案内するように命じた。 その時、船長が嬉しがって頭をペコペコ下げる姿は40年たった今でも忘れられない。 当時、全ての駐屯地の近くには必ず「女郎屋」があった(今でもそれに近いものは存在するようです)。 料金は韓国人が10ウオン、日本人は50ウオンの二重価格だった。 その船長は10ウオンで済んだことでしょう。


中国のように外国人用紙幣を発行して、政府として二重価格を決めている例もありますが、 韓国は一流国の仲間入りをしたのですから、こうような風潮をやめないと、国際的な評判を落とすことになります。 これからの時代は、世界から信用される国にならないと、発展が難しいでしょうね。


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