1997年6月18日号

日本からの女性観光客


日曜日にはデジカメを持ってホ−ムペ−ジの取材にでもと地下鉄に乗り、 あてもなくさまよい歩いています。 座席に座っている私の前で4人の奇麗なアガシが地図を見ていました。 その地図は日本語だったのです。 こころ細そうに見えたので声をかけました。 突然、日本語で話しかけられたのですが、 日本のアガシは韓国の男性からよく声をかけられるようで、特に驚いた様子もありません。 私の場合はナマリのない日本語なので、すぐに日本人と気が付いたようです。 私のアパ−トがある江南地区には「汗蒸幕(ハン・ジュン・マク)」(脚注参照)がたくさんあり、 その帰りで、これから食事に行くとのことでした。

「韓定食を食べたいのですが、どこかいいところを知りませんか?」と質問されたのですが、 「コリアハウス」とか、その昔に連れていってもらったことがある正統派「キ−セン・チブ」 (キ−セン観光のキ−センハウスではない)しか思い付きませんでした。 「韓定食」とは何ですか? と、確認すると、「パジョン」とか「ビビンバ」と言うのです。 要するに、日本の「サシミ定食」、「豚カツ定食」のイメ−ジで言っているのです。 つまり、彼女らは韓国のフツ−の人が食べる料理が食べたかったのです。 韓国で「韓定食」と言うと宮廷料理のような伝統的高級料理を指すので混乱しました。

そう言うことならと、南大門市場内にある食堂街を紹介しました。 そこは韓国のお金持ちも、ときどきベンツで乗りつけると言われるくらい、 現地の人に有名なところです。 でもメニュ−がハングルでしか書いてないので、 観光客は少ないです。 彼女たちは注文できないだろうなぁ−、と心配でした。 私もどうせ、ホ−ムペ−ジの取材で、特に行き先も決まっていませんでしたので、 ガイド役として食堂まで同行し、一緒に食べることにしました。

いろいろなものを食べたいとのことで、以下のものを一品づつ注文して、 みんなで分けました。

  • ビビン冷麺:ス−プ無しの冷麺で、ス−プの代わりに唐辛子ミソが入っている。 食べる前によくかき混ぜる。
  • テンジャンチゲ:韓国のミソ汁。 韓国味噌を使い、具は野菜が中心。
  • パジョン:韓国式お好み焼きで、具はネギを使う。 日本のお好み焼きのル−ツか?
  • ビンデット:外観はパジョンに似ているが、メリケン粉でなく、豆の粉を使う。
  • ドルソビビンバ:石焼ビビンバ。 説明不要でしょう
  • スンデ:腸詰め。 但し、本当の腸が供給不足のため、最近は食用ビニ−ルを使っているとのこと。 腸詰めの中身は不明(血とか内蔵が入っている?)。
  • マッコルリ:御存じ韓国の合法ドブロクで、白い色が底に沈殿しているので、 飲む前に、瓶を振ってから茶椀に注ぐ。

彼女たちは、美味しいと言って、満足のようでした。 私のような駐在者にとっても確かに美味しいのですが、韓国料理は種類が少なく、 毎日、上記のようなものばかり食べていると、飽きてしまうのです。 しかも外国料理店が少ないのも、もの足らなさに輪をかけています。 料理の種類と言う点では、日本以上に豊富な国はないでしょう。


今回の彼女らの観光は、最近の韓国ツア−の現状を典型的に表していると思います。

  • 一昔前の男性ツア−のキ−セン観光が少なくなって、女性ツア−が増えた。
  • 女性のツア−では、「汗蒸幕」と「食べ物」、「少しの買物」が中心。 でもこれだけでは、2回・3回とリピ−トのモチベ−ションが無いですね。

もう一つ気が付いた点ですが、
日本の男性が「韓国アガシは奇麗だ」と言いふらしているので、 韓国ではそれが通説になった上に、さらに「日本人アガシはブスだ」、と言う 尾ひれまで付いてしまっているようです。 ところが、今回は皆さん美人だったので、南大門では、 ほとんどの店のアジョシが日本語で話しかけてきて手をひっぱるのです。 どうも商売以上の熱心さのようでした。
後日、会社の人に聞いたら、韓国男性の間では日本のTVタレントなど、日本女性 にあこがれている人が多いとのことです。 一方では「ブス」だと言いながら、 これですからね。 韓国人の日本人に対する複雑な思いをかいま見るようです。

メンバ−の中にはインタ−ネットをやっている人もおり、このURLを宣伝しておきました。 このホ−ムペ−ジの読者も増えることでしょう。


汗蒸幕(ハン・ジュン・マク): 韓国伝統のサウナのようなところ。 サウナ室の壁は木で出来ているが、 こちらは石とのこと(私は行ったことがない)。 スキンマッサ−ジとか顔パックなどのオプションが豊富で、 今回の彼女らは5・6種類のオプションを行い、一人当たり2万円くらいかかったとのこと。
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