1997年6月13日号

恐るべき 君らが....


ソウルの気温は東京地方と変わらなくなっています。 特に、この2・3日は28度位まで上昇しています。 年間の平均気温のグラフを見ますと、春から秋にかけては日本とほぼ同じで、 冬は最低気温がマイナス10度以下になることもあります。 今年の冬は漢河が薄く凍結したのを見ましたので、例年よりも寒かったのでしょう。 つまり、ソウルでの年間の最高/最低の温度幅は東京よりも大きいと言うことです。


気温の上昇に伴って、男性も女性も薄着になってきています。 特に女性は胸のふくらみがよくわかるようになってきたので、 昔、有名だった俳句を思い出しました。

恐るべき 君らが乳房 夏来る

誰が作った句だったか忘れましたが、戦後の解放的な雰囲気(特に女性にとっては男性以上に)による薄着と、 食料事情の向上による胸のふくらみを、多分、戦前のイメ−ジから抜けきれないオジサンが「恐るべき」 と表現したのでしょう。 たった17文字の中にこれだけの内容を詠い込んだ名句として有名でした。 1955年頃に作られたのではないでしょうか。

これだけ社会的に発展した韓国を日本の昭和30年頃と比較するのは、 大変失礼なのですが、女性の開放度と言う観点からは、丁度同じくらいの 感じがします。 儒教の影響が日本以上に強いのです。 わずか10年前には女性が人前で酒を飲んだり、 煙草を吸うのはロ−ムサロンの部屋の中だけでしか見たことがありませんでしたが、 今ではビヤホ−ルに女性客がいないのはおかしな感じがします。 また、私のアパ−トは江南地区と言ってソウルでも有数の若い人向けの歓楽街ですが、 午前0時以降に帰宅する時には女性の酔っ払いを見るのが普通です。

勤務先の社員食堂には毎日の残飯の重量を折れ線グラフにして、出口に張り出していますが、 省資源/クリ−ン環境の啓蒙用です。 すでに韓国は飽食の時代に入っているようです。
このような栄養事情の好転は、若い人の身長の向上、女性の胸のふくらみの増大により、 実証されているでしょう。

俳句的なものが韓国にあるかどうか、知りませんが、 「恐るべき....」みたいな名句が出て来そうな条件がそろってきたようです。 でも韓国では俳句のように凝縮された表現でなくて、「...機械と同じで、錆びて...」 のような「小咄」や、「例え話」みたいな表現が良くみられるようです。
これからも飲み屋の宣伝などには注意を払い、面白い物を見つけ次第、報告する事にします。


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