1997年6月4日号

回転寿司、発見


毎晩、外食していると同じものばかりになり、飽きてきてしまいます。 さいわい、私が住んでいる江南地区は新興歓楽街ですから、 外国料理の店も多く、捜せば、各国の料理を楽しめます。
先日も美味しいものにありつけないかと、ブラブラ歩いていました。 一人ですから、立派な門構えの店にはなかなか入りづらいものですが、 運良く、回転寿司が見つかったのです。 ソウルではまともな寿司を食べたことがないので、 回転寿司といえば逆に機械などを含め、さぞかし日本に近いものと期待しました。

店に入ると、お客が少ないのを除いて、ベルトコンベアー、日本茶のパック、 ガリを入れる容器、日本の醤油、食器など、全く同じお膳立てです。 何を取ろうかと、流れてくるのを見ていると、 注文もしないのに味噌汁がでました。 「注文してないよ」と言おうとしましたが、 こちらの言葉を話すのも億劫なので、お椀を持ち上げ、口に付けて食べました。 これで店の人も隣の客も日本人だと気がついたでしょう。 韓国では食器を持ち上げて食べるのは行儀が悪いのです。 汁ものはスプーンで食べないといけません。 韓国のみならず、食器を手に取って食べる習慣は、世界広しといえども日本だけだそうです。

食べていると、隣から日本語が聞こえました。 中小企業の社長風の人と、日本語を話す、小股の切れ上がった韓国人の中年婦人のカップルです。 その婦人の指先に目をやると、ジャーーン!!、 2カラット以上あると思える白金台のダイヤの指輪です。
社長風の人が買ってあげたのか、その婦人がルームサロンのオーナーかのどちらかでしょう (あるいはイミテーションか)。
日本ではお金持ちだって回転寿司に行くのでしょうが、 2カラットのダイヤを身に付けては行かないでしょう。 このあたりの日本と韓国のメンタリティーの違いが面白いですね。

韓国滞在8年のTさんから聞いた話では、韓国への”リピーター”は少なく、 あるとすれば「女性の友達」がいる人だけのようです。 「買物」、「観光地巡り」だけでは2回・3回と訪れる動機がないそうです。 だとしたら、ソウル駐在になる前に30回くらい来たことがある私は何者なんでしょう (ほとんど出張で来ましたので、残念ながら女性の友達はいませんが)。


回転寿司の味ですが、まあ、「無いよりましな」くらいでしょうか。 ネタの数が少なくて、 私のように、安くて旨い「コハダ」とか「イワシ」など、「光もの」や、 定番の「ネギトロ」が好きな人にはもの足らないでしょうね。

値段は日本よりも高く、一皿、1000〜4000ウオン(140〜560円)で、 平均2000ウオンです。 こちらの人にとっては気軽に行けるファーストフードの 価格帯ではないようですが、私にとっては数少ない日本の味ですから、時々、 行ってみようと思っています。


「mailto」を付け加えましたら、早速、励ましのメールをいただきました。 仕事が忙しくなってきたので、毎日書けるかわかりませんが、頑張ってみます。


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