エレガントな趣味、陶芸
韓国には2万人の日本人が駐在していると言われています。 しかしながら、私は出向先の会社ではただ一人の外国人で、 日本人会にも所属していないため、週末になっても日本人同士で出歩くこともありません。 ところが、 インターネットのおかげで韓国に8年間も滞在している方を見つけました。 彼の名前は仮にTさんとしておきましょう。 早速、Tさんの趣味である陶芸の工房を見学させてもらいました。
前日に会社で話していると、会社の人から「エレガントな趣味ですね」と言われました。 こちらではこの種の趣味はまだ少数派のようです。
場所は地下鉄3号線の延長上にある盆唐線(ブンダン線)の終着から一つ手前のミグム駅の近くでした。 この辺りは大規模な住宅都市開発の地域で、駅から地上に出ると新しい商店街があり、 20階建て位の高層アパートが林立しています。 百貨店やディスカウント・ショップもあり、 日本ではちょっと見られないくらいの現代的な街です。 一戸建ての住宅が少なく、ほとんど全てが近代的な集合住宅ですし、道幅も広く、 日本のニュータウンと言われる地域よりもモダンな感じがします。 蘆泰愚氏が大統領選挙の公約で掲げた、「ソウル衛星都市に100万戸住宅建設」 の成果とのことです。 事実、盆唐だけで人口がすでに40万人に達しているとのことです。
Tさんとミグム駅で待ち合わせて、鶏肉のカルビで昼食をとりました。 この食堂ではトウモロコシから作ったマッコリ(韓国のどぶろく)がありました。 マッコリは日保ちしないので、普通のもの(米から作る)でも飲ませる店が少ないのに、 トウモロコシ製の珍品に巡り合えただけでも儲けた気分になしました。
工房に行くと30歳台くらいの女性が3人ほどいて、ロクロを回していました。 Tさんによれば、韓国ではこのような趣味をやれるのは、まだまだ有閑階級の人に限られているようです。 |
高麗青磁、李朝白磁が有名ですが、この工房では第3の方法(名前を失念)です。
日本では伊万里、九谷、多治見・・・・など覚え切れないくらいの種類がありますが、
韓国では3種類に限定されるそうです。
窯はプロパンを使う強力なもので、完成品を手に取ってみると、
硬度が高いように感じられました。 従って、芸術的な面に加えて、日常の実用にも耐える、
充分な焼結温度が得られているようです。
韓国は石油、石炭、金属などの天然資源に恵まれていないのですが、 陶土はいたるところから良質なものを産出するそうです。
韓国に始めてきたのは21年前でしたが、今日のレポートのように、 新しい風俗が出てきています。 これからの10年、20年で韓国がどのように変貌するか大いに期待できると思います。