1997年5月19日号

大阪の人と全羅道の人


タクシ−に乗った時に運転手と交わした会話です。 私はそれほど会話ができませんので、細かいところまでは理解できませんでした。

私:
日本人です。 仕事でソウルに駐在してます。

運転手:
大阪から来たのですか?

私:
東京の近くからです。

運転手:
以前、務めていた会社は日本の大阪の会社と取り引きがあり、 出張で大阪に行ったことがあります。

私:
大阪の人は商売が上手だから大変だったでしょう。

運転手:
大変だった。 大阪の人は全羅道の人と同じだ.....

私の会話能力ではそこまででしたが、 「全羅道の人と同じだ」と言うのは初めて聞いた言葉です。
友人のLさんから聞いていた話では、 日本の「大阪商人」にあたるKoreaで商売がうまい地方の人々は 「開城(ケソン)商人」と言って、 現在は北朝鮮になっている地方を言うのだと聞いていました。

開城(ケソン)は板門店から約10km北にあり、 DMZの展望台に備え付けの望遠鏡で高層アパ−トを見たことがあります。

開城商人が全羅道商人に代わってしまったのかどうかはわかりませんが、 運転手の話ぶりでは、どうも地方同志の反目があるような感じでした。 日本で「大阪商人」と言っても、地方同志の対立の意味はないですが.....

10年位前までは、 高校野球での地方対抗はものすごい盛り上がりを見せていたそうですが、 最近はそうでもないと聞いていました。

しかし、今回の運転手の話を話を聞いていると、 一般の人々の間ではまだまだ地方対立が根強く残っていることを感じました。 国全体の発展を考えると、 こういった対立はなんらプラスにならないと思いますが、 長い歴史のなかで形成されたメンタリティ−は解消するにも長い時間を必要とするのでしょうか。


5月の目次に戻る