1997年5月4日号

友人I氏とサイパン旅行


休暇を利用して10年来の友人であるI氏(韓国人) と一緒にサイパンに旅行してきました。
彼は根っからの韓国人でありながら、 経歴/仕事から見て、どこにでもいる人とは言い難いですが、 経済活動のみならずライフスタイルにおいても新しい行動派インテリの一例として、 プライバシーの侵害にならないよう紹介します。

なお、旅行記については後日報告します。

本貫:
昔から「両班の里」として知られるところで、事実、両班の家系だそうです。
自分からこんなことを言い出す人ではないですが、以前、 報告したように名前にハイクラスな漢字が入っているので、 酒を飲んだときに、しつこく聞いたら、口を滑らしました。 それ以来この話題には触れていませんし、 失礼になるといけないので他の人にも聞いていません。

学歴:
受験競争が日本以上に厳しい韓国でも一番と言われる大学と大学院卒。

職業歴:
大学院卒業後、兵役に行きましたが、 韓国海軍でもさすがにこれだけの人となると、 鉄砲の整備ばかりをやらせるわけにはいかないのでしょう、 軍隊内の学校の先生をやっていたそうです。

除隊後、民間の会社に勤務し、新製品開発部門に配属されました。 この会社は社内規定が余りにも充実しているため、 開発で新しいことをやろうとすると障害となることも多かったようですが、 逆に、規定自体を改正したり、運用解釈で関係者への説得など(いわゆる根回し)、 「役人根性」に染まらずに、ビジネスマンとして大きく成長したようです。

会社側の理由により退職し、 退職金を元手に自分の会社(ベンチャー企業)を起こしたのですが、 それまでに身に付けた技術と学生時代からの人脈をフルに活用し、 経営は順調です。

アメリカ経済は一時低迷していたのがベンチャー企業の隆盛で息をふきかえしました。 シリコンバレー一帯にはこのような会社が一杯あります。 インテルやマイクロソフトも15〜20年前にはベンチャーでしかなかったのです。

韓国人は朝鮮動乱以後、アメリカに行く人が多く、 アメリカ側も「戦友」として受け入れを歓迎した時期があったようです。 そのような人達の中でもベンチャー企業で成功した人も多いのです。
韓国では今までの財閥中心の経済政策から、 アメリカのベンチャーの成功に見習う機運が出てきており、 政府も動き出したようで、 技術はあるが資金がないことが多いベンチャー企業への投資がやりやすくなってきています。

彼の会社もその筋からは「注目される韓国ベンチャー企業」の一つとして目を付けられているようで、 連日のように銀行や投資会社からの客があるようです。


韓国では日本と同様に5月1日は国民の祝日ではありませんが、 メーデーで休む会社が多いです。 また、5月5日は子供の日で、これも同じです。 中国では昔から「月」と「日」の数字が同じになる日を祝う伝統があるようです。 例えば3月3日や5月5日などです。 中華民国(台湾)の建国記念日にあたる10月10日も「双十節」と言い、 この伝統にちなんでいるように思います。
と言うわけで韓国の「子供の日」が必ずしも単純に日本のまねをしたわけではないことを、 韓国の名誉のために付け加えておきましょう。

友人I氏は急成長する会社の社員の増員/教育、資金導入に忙しいのにもかかわらず、 5月の連休を利用して私と二人でサイパン旅行につき合ってくれましたが、 帰りの飛行機のなかで、「良かった、また行きたい」と言ってくれましたので、 多忙な日常生活のなかで、大いにリフレッシュできたと思います。


旅行に行く前は、 サイパン旅行記はこのホームページの趣旨から外れるので止めようかとも思っていましたが、 行ってみると韓国も大いに関連していたので、次号から何回かに分けて書きます。


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