1997年4月25日号

黄ジャン・ヨブ元書記の報道


日曜日に黄ジャン・ヨブ元書記が入国して以来、毎日、TVで報道しています。 彼が北朝鮮にいたときの映像も頻繁に流されます。 VIPだったので、 金日成や金正日と一緒に写っている場面が多いです。

よくも韓国内にこれだけたくさんの北朝鮮の映像が収集されていたのかと驚くと共に、 それをTVで一般大衆に見せているのですから、韓国も変わったのを実感しました。 20年前はおろか、10年前にもTVでそのような映像が流れることは無かったし、 人々の間で北朝鮮のことを言うのもタブ−でした。 今ではすっかり様変わりしていて、 以下のような彼らの個人的な趣味まで普通の人が知っているのです。

私が一回だけ経験した犬の肉の鍋物を食べているときのこちらの友人の話
甘味があるので北では、「砂糖」の「糖」とKoreaコトバの「肉」の意味の 「コギ」をつないで「糖コギ(タンコギと発音する)」と呼んでいる。 金日成が大好きだったので彼が命名した。
私は何で個人的な趣味まで知っているのかと思いましたが、 多分、亡命者が言ったのが報道されたのでしょう。 黄ジャン・ヨブ元書記が現在の執権者のことを「精力旺盛」とか「嫉妬心が強い」 と言っているのもすぐに報道されました。

昨日、黄ジャン・ヨブ元書記は銅雀区にある国立墓地に参拝し、 動乱で亡くなった人に追悼をささげました。 そして、参拝者名簿に記入したのがTVの画面に写りましたが、 75歳の老人(韓国では数え歳などで、満では74歳のはず) とは思えない、奇麗なハングルで文章と自分の名前を記入してました。 さすが、立場は違っても金日成総合大学の学長までやった、 北朝鮮でも屈指のインテリだけのことはあるな−−と感じ入りました。

それにしてもこれだけの大物が亡命するなんて想像もできないことがおこるものですね。 これから先も何が起こるかわからないので、注意してみようと思います。


目次に戻る