1997年4月16日号

ソウルでの私の住まい


期間限定で派遣されているので、当地の会社がアパ−トを借りてくれました。 自分で払うわけでないので、家賃には無頓着でしたが、6ケ月以上入国して いると韓国政府に所得税を支払う必要があり、家賃を調べてみました。 会社で払ってもらっている家賃も収入とみなされるのです。

私のアパ−トは約12坪のワンル−ムマンションですが、若い人の街として 有名なカンナムの地下鉄駅から150mの大変便利なところです。 近くにはコンビニ、食堂−−しかも、吉野屋、ピザハットなどソウルではまだ 少ない外国食堂も−−、ビヤホ−ル、映画館などが歩いて5分以内という、 絶好の場所です。 便利なところだけあって騒がしいと思われるかも知れま せんが、小さな丘になっているため、繁華街が急に住宅街に変わって静かな ところで、部屋が若干狭いことを除けば大変条件のいいところです。
さて、これで家賃はいくらくらいと想像されるでしょうか。 因にソウルの 物価は大変高いです(除く交通費、これは安い)。

試しに「金本位制」ならぬ「吉野屋牛丼本位制」で考えてみましょう。

韓国
牛丼並:2900ウオン、サラダ:1500ウオン、味噌汁:700ウオン、 合計5100ウオン(730円、税金込み)

台湾
牛丼セット(並盛り、小菜、味噌汁付き):100元(400円、消費税なし)

日本で牛丼を食べるとこれらの中間の値段になるでしょう。 平均給料が日本より 若干低いことを考えると、エンゲル係数は高いのではないでしょうか(日本、韓国、台湾 のような先進国にとってエンゲル係数の意味が薄くなってきているとは思いますが)。

以上の予備知識から私のアパ−トの家賃を想像するのですが、驚くなかれ 無料なのです。 実はからくりがあって、 韓国では銀行金利が年利で10%以上あり、会社が6000万ウオン (約850万円)の敷金を払い込んでいるのです。 大家はこの銀行利子を家賃 として考え、毎月の家賃は無いのです。 このシステムは韓国ではあたりまえ だそうですが、敷金の利子分と毎月の家賃は振り分ける(例えば半々) 方式もあるようです。 敷金は出る時に返してもらえるのですが、最初の 時には有る程度の現金がないとアパ−トに住めないのでしょうか。 日本式の家賃システムのところもないと「マルビ」の人は困るでしょうね。

私の所得税の計算は税理士に相談したら、上記より家賃が無料なので 所得に算入されないとのことで、ラッキ−でした。 それにしても10% 以上の銀行利子とはすごいですね。 下げたらインフレになってしまうので しょうね。

「ところ変われば人変わる」で、毎日、新しい発見の連続を楽しんでいますので、 順次紹介して行く予定です。


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