1997年4月14日号

ソウルで日本情報を得る


こちらの言葉を話せないので、日本関係のニュースをテレビでやっていても よくわからないのですが、私の場合はインターネットと短波ラジオを フルに活用し、日本にいたときとかわらない情報を入手しています。

インターネットによるWWW
いまさら説明するまでもないですが、asahi.comを読んで いれば、日本で発行される新聞と同じ記事が読めます。 かって3ヵ月間 アメリカにいたときに、日本に関する報道が少なくフラストレーションを 起こしましたし、重要人物が亡くなっていたのも知らず、帰ってきてから 友人との会話が「ちぐはぐ」になったこともありました。

仕事に関するビジネス情報も取れます。 最近ではAMD社の新しい CPUであるK6についても発表とほぼ同時に読むことができましたし、 秋葉原での最新価格を知って、「ソウルの秋葉原」と呼ばれる龍山や 清渓川の電気街の値段と比較するのも楽しいものです。

韓国に住んでいるからには歴史・風俗、日本との過去・現在の関係を 知っているとこちらの人とのコミュニュケーションもよくなり仕事も 円滑に進むようになります。 お互いに誤解や先入観をもっている ことはビジネスの面でも良くないことです。
yahooで検索するとKoreaに関する日本語のホームページが かなり多いことに気がつきました。 中国、台湾、ホンコンについての ホームページよりも充実しています。

竹島(獨島)問題についても韓国が何を論拠として自国の領土だと主張して いるかがわかりました。 もっとも私はその論拠に100%の正当性が あるとは思いませんので、そのような話題になったときでも、先方から 一方的に言いくるめられたり、感情論に押し込まれない自信がつきました。

短波ラジオ
日本からの日本語放送を聞くには短波ラジオが有効です。 特に9MHz、 11MHz帯のNHKのラジオジャパンは朝方から夕方8時頃までは強力 に入感します。 あと、ラジオ短波や中波放送も状態のいいときには 聞こえます。 短波ラジオを持ってくるなら、感度と選択度のいいものに しないと苦しいです。 最近の1万円程度のラジオの短波の感度は良くない ですからアマチュア無線機のメーカーが出している専用の受信機がいいでしょう。
こちらの電源電圧は220V化が進んでいますので100Vのコンセント がない場合が多いです。 日本から持ってくる場合は、220V−>100V の変換トランスも一緒に持ってくるのがいいでしょう。

短波放送を聞いているというと、こちらの人は北朝鮮などのプロパガンダ 放送を聞いているのでは? と疑うのですが、私が来てから、北朝鮮のみ ならず北京放送など社会主義国からの日本語によるプロパガンダ放送は 一回も聞こえてきません。 理由はわかりませんが、緊張緩和による 必要性の低下、日本語によるプロパガンダ放送の有効性の低下、聴取者の 減少、などによる 「必要経費 vs.効果」が認められなくなり、中止されたものと想像します。
モスクワ放送の日本語放送はときどき聞こえますが、内容はニュースと 観光案内、人々の生活紹介などで、プロパガンダ臭は無くなっています。

それにかわって、宗教プロパガンダ放送が盛んになっているようです。 私は宗教には全く興味がないので、継続して聞いてはいませんが、偶然 聞こえたときに注意していると、「どこから放送しているのか」、 「運営主体がだれなのか」が不明確でした。 これは国際的な放送の ルールに反するのではないでしょうか。 良く聞いていればステーションID を放送しているのかもしれませんがが......
政治プロパガンダ放送が少なくなって、宗教プロパガンダ放送が出てきた ことはまさに世界の情勢を反映しているようで、私にとってはなにか 「不気味」なものを感じます。

以上のほかに衛星放送で日本のTVを見ることもできますが、私は そこまではやっておりません。 正規のケーブルTVに加入して日本の 衛星放送を見る方法の他に上記、清渓川の電気街でNHKの衛星放送を 受信する機材を購入する方法もあります(NHKに聴取料を払わずに 受信するのは法律的にどうなるか、保証の限りではありませんが)。

とにかく、外国で生活してその国の情報をしり、自分なりに考えることは、 日本自体を外から客観的に見直すことにもなることが良くわかりました。 また、それらを記録しておくことも自分自身のためにもなるものと思います。 その意味で見る人が少なくてもこのホームページを続けていこうと思っています。


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