Korea料理と聞いただけで、大多数の人は「辛い」と思うでしょうが、
辛くないものもあります。 そもそも唐辛子は字からもわかるように
中国から日本に伝わったものですが、驚くことにKoreaへは中国から
直接伝わらずに日本経由で伝わったそうです。 観光ガイドブックに
書いてあったので、当地の人に確認しましたが、加藤清正の虎退治など
の言い伝えで有名な豊臣秀吉のKorea進出の時に持ち込まれたとの
ことです。
ですからキムチを初め唐辛子を使った料理は400年の歴史しかない
ことになるのですが、発酵を併用して世界的にもユニ−クな食文化を
形成したのです。
また、この時代の支配者である李王朝は仏教に対してそれほど
支持しなかったので、仏教の戒律である「四本足の動物の肉を食べない」
ということもなく、カルビやブルコギなどの肉料理も発達したのでしょう。
以下に、当地の食堂のメニュ−の一部を紹介しますが、
ビビンバなど、観光ガイドブックに書かれているものはそちらに譲る
として、B級グルメ的なものを中心にします。
- ボッサムキムチ
- 私はこれが最高のKorea料理と思います。 白菜の葉の間にカキ、魚、
肉などを入れたものです。 但し、材料が材料だけに発酵状態が微妙で
漬けた時間が短くても長くても味が落ちます。 なかなか美味しい店を探す
のが難しいので、現地の人に聞いてから行きましょう。 ロッテホテルの
上の方の階にある食堂街に美味しいところがあるそうですが、まだ、行ってません。
通常は「スヨック」といって肉を水炊きしたあと、薄くスライスしたものも
注文して、ボッサムキムチと一緒に食べます。 水煮の肉のプレ−ンな味と
発酵したキムチの複雑な味のミックスは絶妙です。
なお、「ボッサム」とは「包む」という意味だそうです。
- ドガニタン(ドガニ湯)
- 最後に「タン(湯)」が付いているのでス−プだと言うことがすぐわかり
ますが、ドガニタンは値段的に「四節湯(旧称ポシンタン:犬肉ス−プ)」、
「参鶏湯(サンゲタン)」と並んで高いです。 ドガニとは牛の軟骨部の
ゼラチンを含んだ肉ですが、日本の飲み屋で煮込みの材料に使われて
いますので、日本人にとってはお馴染みの味です。 でもこれを韓国風に
ス−プにすると、また別の美味しさがでます。 ス−プには唐辛子や塩を
入れずに調理されてますので、自分で塩などを加えて調味します。
私は唐辛子を入れずに少しの塩と胡椒だけを入れたのが好きです。
日本でス−プをかけたご飯のことを「カルビグッパ」などと理解
していますが、「グッパ」は調理室ですでにご飯とス−プが混ぜて
あるもので、「タン」はス−プとご飯が別の食器で出され、自分で
好きな割合に混ぜてもよし、別々に食べてもいいです。
ソウルの食堂のメニュ−で「グッパ」を見つけるのが難しく、
ほとんどが「**タン」です。 なお、「テンジャンタン」は日本の
味噌汁にあたり、具もほとんど同じですが、残念ながら味噌の味が
違うので、日本の味噌汁の方が好きです。 余談になりますが、
こちらの醤油も日本とは違うので、折角のサシミの味がだいなしに
なってしまいます。 日本から来る時は、日本の醤油をもってくる
のがいいでしょう。
- ケジャン
- これはサイドディッシュなので、いくらメニュ−を探してもでてきません。
生カルビなど、およそ15000ウオン以上のものを注文した時にキムチと
一緒に小皿ででてきます。 生のカニを唐辛子であえたものですが、なぜか
辛みだけでなく、甘味も含まれているのです。 生のカニなので夏場は
敬遠したいですが、大変美味しいです。 辛い食べ物に弱いと言っている
人でも、これをまずいと言った日本人をみたことがありません。
しかもサイドディッシュなのでおかわり自由です。 でも生なので
おかわりは1回くらいにしておいた方がいいでしょう(私はこれが原因で
お腹をこわしたことはありませんが)。
Korea料理のことばかり書きましたが、ソウルでは外国料理店が
少なく、あっても味は期待できません。 Korea料理に飽きたとき
にちょとだけ食べるだけにしておいた方がいいでしょう。 但し、
「吉野屋」の牛丼だけは日本と全く同じ味ですので、下手な日本料理店
にいくよりもいいでしょう。
先日、ソウルクラブと言う会員制の最高級のレストランで会食しました。
肉をただ焼くだけのステ−キは素材で勝負しているので、さすが高級店
だけのことはあったのですが、ス−プやサラダはいただけなかったです。
最高級の店でも外国料理はこのくらいですから、あとは推して知るベしでしょう。
やはり、外国に行ったらその土地のネイティブな料理を食べるのが
一番ということでしょう。
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