D級100Wアンプ自作 中間報告 (2008.11.16現在)

 

やるぞ!と宣言してから数ヶ月が過ぎてしまい、空約束ぎみになってきました。これではいけないと、行動を開始しました。ぼつぼつ買い集めた部品のうち、ケースとしてオークションで落札した不動の半導体アンプを分解しました。かなりのメカ部品がとれました。特に外装部品や内部のブラケット/放熱器などを有効利用すれば、自作でゼロから加工するよりもかなり手間が省けます。これに対し、電子部品は古くて信頼性が不安なので、ごく一部だけ再利用することにします。

以下に分解したケースの写真を示します。このアンプは、AX-Z911と言う型番の120W級のアンプで、ビクターの意欲作でした(詳細仕様は以下を参照)。もともと付いていた電源トランスは120W級アンプとして充分な容量のものが付いていましたが、すでに部品集め段階で入手していた、もっと大きな容量(400VA)のものに換装します。トランスが大型化して搭載スペースが心配でしたが、現物を置いてみましたら充分収納可能なことがわかりました。

http://audio-heritage.jp/VICTOR/amp/ax-z911.html

 

 

回路設計:

アンプの増幅部分の回路は、IR社が発表している50W級のレファレンスデザインをベースに100W化を計ります。その他、レファレンスデザインには無い、6SJ7による真空管増幅を前段に付加しました。真空管の音の雰囲気が出るかを見てみたいと思っています。増幅部の回路図を以下にアップロードしておきました。

http://ja1cty.servehttp.com/class-d/ClassD-AMP.gif

 

電源回路とスピーカー保護回路は設計が固まり、組立ても完成しております。

 

6SJ7のB電圧は、半導体アンプ部との電圧の整合性を取るために、カソード側に-230Vを与えることにしました。

保護機能は以下を付加しています。

*直流出力カット:スピーカー保護のため、絶対値で1.2V以上の直流が0.5秒以上スピーカ端子に現れたら、リレーでスピーカーを切り離します。写真に写っている大きなリレーがそれです。レファレンスデザインでは、ICの動作を停止するような回路となっていますが、リレーでスピーカーを切り離すようにし、より確実な保護ができるよう考えてみました。

過熱保護:写真に写っているサーモスタットを放熱器に取り付け、55℃以上になったらアンプの動作を停止させます。

電源オン時のソフトスタート:このアンプは前段に真空管を使っているため、電源オン後、真空管が暖まるまで各部の電圧が安定せず、D級アンプ部分が先に立ち上がっていると異常動作する恐れがあります。そこで、12AT7を使って、これのカソードが定常温度に達するまでD級アンプの動作を止めるようにしました。

FETの過電流保護:この機能は、今回使用するIR社のLSIに内蔵されていますが、メーカー発表のレファレンスデザインの回路図では、同じくIR社のFET用の定数が書いてありましたので、私が使うインフィニオン社製のFETにマッチするように回路定数を計算し直しました。


Return to Home