第2弾 |
1:概要 |
前回はDC15Vの電源一つで真空管ヘッドアンプからD級の終段まですべてをまかなう設計でした。。 DC15Vの電圧では、8Ωスピーカー負荷にたいして10W位の出力しか得られません。今回は50W以上の出力を目指して、電源電圧を34Vにしました。34Vが使えれば、初段の真空管の選択肢が広がり、今回はソ連製の6N6の並列動作を採用しました。
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2:回路説明 |
D級アンプとしてオークションで物色し、STマイクロ社のTDA7498を使ったPCBAを購入しました。 電源はノートPCのACアダプタを2個使い(15Vと19V)、2階建てにしてDC34Vを作り出しました。 真空管アンプ部の回路は前回から球が変わっただけで基本的な考えは同じです。前段部分の回路図は ここ をクリックしてください。 プレート負荷抵抗として音質が良いと評判のデール社の1KΩ巻線抵抗を使っていますので、充分にインピーダンスが低く、バッファーアンプを付加しなくても終段のD級アンプにコンデンサーカップリングだけで接続可能です。 カソードのパスコンを省略してあるのも前回と同じ理由です。 バイアス電圧がわずか0.33Vしかありませんので、グリッド電流がかなり流れると思います。従って入力トランスは直流抵抗が低いものが必要です。今回はタムラのTPB2を採用しました。二次側の直流抵抗は50Ωですので、グリッド電流が流れてもバイアス変動は極小に抑えられるでしょう。 |
3:使用部品 |
*ACアダプタ: *カップリングコンデンサー: *遅延リレー D級アンプ基板自体は電源 ON/OFF時のポップ音対策がしてあるのですが、前段の真空管部分からかなり大きなポップ音が発生しますので、オムロン製の遅延リレーを入れ、電源投入後45秒間はD級アンプの入力信号を短絡するようにしました。 *シャーシー: *ヒーター電圧ドロップ用シリコンダイオード:
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4:測定結果 |
ヘッドアンプのゲインは約5倍です。D級アンプを付加したトータルの歪み特性を以下に示します。前回同様に、1W出力時、THD=約1.7%になり、狙いどおり、真空管歪発生器として動作しています。 音楽を聴いた感じは、前回と同様に、ヘッドアンプ無しのD級アンプだけに比べ、響きが加わたと感じます。ブラインドテストしたら終段が半導体アンプと見破る人は少ないと思います。 |