皆さま、ご無沙汰いたしております。お健やかにお過ごしのことと存じます。 140周年記念行事も遂に今週末に迫りましたね。皆様楽しみになさっていることでしょう。幹事の方はお疲れ様でした。私は残念ながら現在アメリカにおり、出席叶いません。
さて私は2018年1月8日(月、成人の日)にレクチャー&弦楽四重奏コンサート「会議は踊る、されど進まず」を飯田橋フレンチレストラン「ソンブルイユ」にで開催(11:00〜15:00)致します。ご興味、お時間あれば是非お出かけ頂きたくお願い申し上げます。
拝啓、晩秋の候お健やかにご活躍のこととお喜び申し上げます。 さて来年1月8日(成人の日)上記イベントを開催することとなりましたのでご案内申し上げます。
フランス19世紀は産業革命が進んでブルジョワ階級が台頭し、社会がダイナミックに動き出した興味深い世紀です。3年前に1830年代のショパンとジョルジュサンドを、今年始めは1850年代のパリ社交界に咲いた「椿姫」を小説とオペラで取り上げました。今回はその少し前1815年のウイーン会議です。陸続きのヨーロッパは侵略の歴史であり、その中でフランス外交は鍛え磨かれました。フランス外交の真髄は何だったのでしょうか?
フランス革命後ヨーロッパを席捲したナポレオンもあっけなく失脚しました。その直後欧州の秩序を回復するための会議がウイーンで行われました。対ナポレオン連合軍指揮官だったロシア皇帝を始めとする各国の代表が集結し、議長はオーストリア帝国メッテルニヒ外相が努めました。
フランス代表として出席した宰相タレーランは稀有の外交官でした。大貴族の長男として出生しながらも修道院に送られましたが、ルイ16世宮廷から始まり、ナポレオン皇帝とブルボン復古王朝の外交官を務め、次のルイ・フィリップによる七月王政の誕生にも一役を果たし、40年もの間政治の中心で活躍しました。彼はまた美食家として知られ、お抱えの料理人カレームには毎日違う料理を命じ、賓客をもてなしていました。 アントナム・カレームも幼くして親に捨てられながら不屈の精神で人生を切り開き、タレーランを始めとしてロシア皇帝、英国王などヨーロッパ中の王侯貴族から求められた料理人でした。彼は多くの書作も残し現代に繋がるフランス古典料理を確立した天才です。
逆境や時代を才覚と不断の努力で切り開き歴史に名を残したこの二人に焦点を当てながらウイーン会議をご紹介します。毎日美食と踊りに明け暮れたウイーン会議は束の間の恋の舞台でもありました。戯れの恋を盛り上げたのはウインナワルツでした。この時代の有名な作曲家ヨーゼフ・ランナーとヨハン・シュトラウス一世の楽譜が日本になく、このひと時のためにウイーンから取り寄せました。現在音楽家達が準備に励んでおります。
2017年夏にオープンしたフレンチ「ソンブルイユ」若月稔章シェフによるカレームのレシピからのお料理と弦楽四重奏によるウィンナワルツの流麗な音色をお愉しみください。 1月8日会場にてお目にかかれますよう楽しみにお待ち申し上げます。
敬具 石鍋香代子
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