曙光製805Aについて

前回の報告の写真をご覧になった方は、805なのにトッププレートになっていないことに違和感を覚えられたのではないかと思います。このアンプに使われている球は、曙光社製で805Aと印刷されているもので、回路図では『無屏帽FU−5A』となっています。現物には『805A』と印刷されていました(写真参照)。

以上より推測すると、この球は、同じ曙光社がFU−5(アメリカ名805)のトッププレートを廃して、ベースにプレートを引き出したもののようで、電気的な特性は同じなんでしょう。

 

中国では、外国の球のセカンドソースを生産していますが、名前を変えてしまっている例が多く、互換表を見ないと分らないことが多いです。旧ソ連の球を中国で国産化したものは、キリル文字をローマ字に変換したものが多いですから、なんとなく見当を付けることができます。以下に旧ソ連の球の規格表を集めたWebをリンクしておきます。

http://klausmobile.narod.ru/td/list_e.htm

 

アメリカやヨーロッパの球のセカンドソースは、名前について特にルールらしきものは存在せず、適当な中国名が付けられているようです。その中でも送信管だけは、頭にFUを付け、番号もそれらしいものを付けているので、何となく分ります。以下は、私が調べた対照表です。

 

中国名  

アメリカ名  

FU-5

805

FU-7

807

FU-13

813

FU-811

811A

FU-812

812A

FU-46

6146

FU-33

833

FU-50

SL50 (ジーメンス)

FU-22

2E22

 

今回使用している、『無屏帽FU−5』と同じ考え方で、トッププレートでない805は、アメリカでは838と言う球が存在します。このトポロジーを使えば、「FU−38」と命名したら良さそうですが、それをせずに、805Aとしています。それなりに理由はあるのでしょうが、「何でもアリ」の中国らしいですね。

(2009.11.01)


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