中国製真空管アンプについていろいろ調べていました。値段が安いにもかかわらず、かなりの音質で楽しむことができ、友人のものも含め今までに４台購入しました。さらにもう少しパワーが出るものがないか捜していたところ、掲示板で以下のメーカを知りました。

http://www.bezdz.com/index.htm

Ｗｅｂを訪問すると、中国語のページしか用意されていませんが、なかなか設計がよいアンプを売っています。また、部品類も日本では入手が難しいものも取りそろえていて、外国にも発送すると書いてあります。但し会社の所在地は、広西省（正確には：広西壮族自治区）という、中国南東部のベトナムとの国境線を持つ田舎の省です。以前、何かの本で、中国の軍事工場は敵から攻撃されにくいよう僻地に配置してある、との記述を読んだことがありますので、その流れをくんだ会社かも知れません。

アンプの一覧表にはすべて回路図が示されており、それらには、黄慶新という設計者の名前が書かれています。よほど設計に自信があるのでしょう。何機種か回路図を見てみましたが、どれも破綻のない設計で、相当な実力を持った人と見受けました。会社概要のページを見たら、彼は廠長（工場長）と書いてありました。

一覧表の中から、以下に示す、８０５シングルが気に入りましたが、残念ながら「販売完了」となっていました。１セットくらいなら在庫があるかも知れないと、メールで照会してみましたら、すぐに回答があり、注文生産可能とのことでした。発信人は、何と、その黄慶新さんご自身でした。なお、中国語でのメールのやりとりについては、私のブログに書いておきました。

http://www.bezdz.com/images2/T-10B.jpg

見積は、私の友人がいる深センまでの送料を含んで６０００元でしたので、すぐに注文しました。完成は１０月初旬とのことです。Ｗｅｂに掲載されている「販売完了品」ではなく、後継機として新たに製造開始するもののようで、メールには回路図が添付されていました。10月に入り、完成したとのメールが来ました。Ｗｅｂに掲載されている回路図は以下のようにチューンアップされていました。

従来品の回路図は、ここ、にありますが、変更点は以下になります。

＊ＡＣ電源入力電圧が、ＡＣ１１５Ｖでも結線を換えれば可能となった（従来はＡＣ２２０Ｖだけ）。但し、私は特注で１００Ｖ入力に改造して貰いました
＊ドライバー管が６Ｌ６から２Ａ３になった
＊初段が五極管接続になった
＊出力トランスのインピーダンスが６ＫΩになった

納入までに時間がありますので、８０５の真空管モデルを作ってシミュレーションで楽しむつもりです。そうすれば改造点のアイデアも浮かんでくるでしょう。

(2009.10.10 改訂)